■■■「マンイーター:捕食」■■■
(55点/生物パニック)
結婚を目前にして婚約破棄されたジェシーの心の傷を癒すために、彼女の友人たちは彼女と共に南の島へバカンスに出かける事となる。
地元のクルーズ船をチャーターした彼らは、クルーザーの船長の案内で観光客の居ない『秘密の島』で休暇を過ごす事となるが、その周辺の海域ではサメと思われる生物による地元民への襲撃事件が多発していた。
そんな事はつゆ知らず無人島へと上陸した彼らだったが、そんな矢先にクルーザーを巨大なサメが襲撃し、船長たちを殺害するという事件が発生。
一方その頃、娘をサメによって殺された漁師のハーランは、サメに復讐するために付近の海域を捜索していたが…
南の島にバカンスに訪れた男女のグループが地元で暴れまわっているホホジロザメに襲われる…という、生物パニックホラー映画。
「マンイーター」というと、15年ぐらい前にオーストラリアで作られた人食いワニの映画を思い出しますが、そちらの作品とは特に関係がある訳ではなく、割とオーソドックスな作りのサメ映画ですね。
お話としては、『南の島(ハワイの近海あたり?)に出現した人食いザメに襲われる事となる若者のグループと、執念で娘の仇であるサメを追跡する漁師との戦いを描いた作品』みたいな感じの内容。
全体的にシリアスなテイストの強めの正統派の『生物パニック映画』といった感じの内容で、最近のサメ映画にしては珍しくサメにコレといった特技もなくてシチュエーションも割と普通。
ただ、サメが『狩りを楽しむために人間を殺している』みたいな設定は、良い感じに人食いザメのキャラ付けになっており本作の個性になっています。
サメの襲撃シーンは『サメの口とかのクローズアップ映像』で誤魔化している部分はあるものの、割とホントに『サメが人間を襲っている映像』に見えるようになっており、低予算ながらも意外とシッカリと作られているのは好印象。
割とサクサクと人間を襲いまくってくれるので、襲撃シーンも豊富でそれなりに見せ場があるのは良い感じ。
『主人公グループ』と『サメを追う漁師』の二方向からお話を描くことで、あまり退屈しづらいように作られているのも悪くないですが、『主人公たちのグループがサメに襲撃されるまで』が結構長めで、中盤あたりがやや冗長に感じでしまうのは残念なところ。
また頑張っているとはいえ、やはり低予算故に特撮とかの安っぽい部分が気になってしまうのは難点かな?
ラストの展開とかはなかなか熱いですし悪くない部分も多いのですが、あまりにも『普通のサメ映画』すぎる部分が多くて、レビューを書こうにもあまり書くような事がないような作品なので、何かもうひと捻り盛り上がる要素や本作ならではの個性が欲しかったですよ…
総評としましては、低予算ながらも『そこそこ観れるレベルのリアル系B級サメ映画』って感じですね。
佳作と呼ぶには厳しいものの『良作』といって良いレベルの仕上がりで、低予算の割には結構頑張っている部分も多いので、『サメ映画が好きな人』であれば十分に楽しめる内容という印象。
『普通のB級レベル』の『普通のサメ映画』が観たい人であれば、『ごく普通にオススメできる作品』だと思いますので、そういう方面で気になっているようであればチェックしておいても損は無い一本ではないでしょうか?