■■■「エイリアン・インシデント エリア51壊滅」■■■
(25点/モンスター)
軍の極秘施設である「エリア51」の研究所では、砂漠に出現した『次元の裂け目』と思われる謎の現象についての研究が日夜行われていた。
そんなある日、施設の主任のダグの息子で成績優秀な学生であるトレントとその友人のジェニーが、研究員の候補生として研究所へと招かれる事となるが、そんな矢先に『次元の裂け目』が臨界点に到達。
次元の裂け目を通って、エイリアンの群れが地上へと出現してしまう。
エイリアンの群れは施設を破壊した後に近隣の町へと拡散して襲撃を開始し、地域はたちまち大パニックに…
なんとかエイリアンの襲撃を逃れたダグたちは、襲撃を受けた町の生存者とともに休眠中の旧軍事施設へと非難する事となるが…
「エリア51」の軍事施設で極秘研究されている次元の裂け目からエイリアンの群れが出現して人々に襲い掛かる…という、SF風味のモンスターパニック映画。
なんかスケールが大きそうな設定のあらすじと、カッチョよい感じのパッケージですが、実際の中身の方は『とにかく地味なモンスターパニック映画』って感じの作品です。
お話としては『「エリア51」で極秘裏に研究していた「次元の裂け目」からエイリアンの群れが出現し研究を壊滅させた後に周りの町へと襲撃を開始。生き残った研究所のメンバーは旧型の軍事基地へと非難してなんとかして人々を救おうと奮闘する…』みたいな感じ…
とまあ、これだけ聞くと割と面白そうなんですが、ストーリーのプロットの割にとにかく『スケールが小さいお話』なのが困りもの。
スケールのデカそうな設定の割にメインの登場人物が10人ぐらいしかおらず、軍の基地が舞台なのに登場する軍人は5人程度。
エイリアンも最初の登場シーンでは「スターシップトゥルーパーズ」のような大群が描かれるものの、本編で主人公たちに絡むのは3匹ぐらいで全体的に出番も少な目。
実際の大半のシーンはエイリアンは登場せず、主人公たちがだらだらと施設の中を移動しながら会話しているだけみたいなシーンが多めで、流石にそれだけだとお話が盛り上がらないので『エイリアンに寄生された人間がゾンビ状態になって襲い掛かってくる』という低予算ホラー映画にありがちな定番の展開で、なんとかお茶を濁しているという感じ。
特撮に関しても、エイリアンの出番が少ないうえに大半のシーンが薄暗くて何をやってるか良く分からないという、これまた低予算ホラー映画にありがちな展開でとにかくテンポが悪くてダレてしまいます。
久々に割と本気でビデオの『早送りボタン』に手が伸びそうになりましたよ…
(割とガチで『10倍速ぐらいで観ても問題のないような内容』だと思う。)
登場するエイリアンは、グレイタイプがゴリラになったみたいなのがメインでイマイチ面白味が無いデザインなのですが、途中で出てくる『背中にトゲの生えたビーストタイプのエイリアン(パッケージに描かれてるのは多分コイツ)』は割とデザインがカッコ良くて悪くない印象。
ただ、いかんせん出番が少なすぎなうえに見せ場も殆ど無いのが残念なところ…
2組の登場人物たちをパラレルに描いている割には、登場人物の掘り下げが浅くてどちらのキャラも印象に残らないですし、ストーリーも盛り上がりに欠ける展開の連発なうえにラストのオチも矢鱈と唐突ですし、正直なところあまり褒めるべき要素の見当たらないような作品でしたよ…
総評としましては、『とにかく地味で盛り上がりに欠ける低予算SFモンスターパニック映画』って感じですね。
B級映画好きにはおなじみの『低予算でモンスターパニック映画をそれらしく作るための定番の要素』がテンコ盛りなので、ある意味でお金をかけずにパニック映画を作るための参考程度にはなるかもしれません。(笑)
正直なところ、同じジャンルの作品と比較してもコレといって推すべき要素もないので、普通にスルーしてしまっても問題のない一本ではないかと思いますよ…