■■■「クリーチャーズ 宇宙から来た食人族」■■■
(40点/モンスター)
サーリング教授と学生の面々は、大学のフィールドワークのために地方の天文台へと向かう途中に、人里離れた郊外で空から落下してきた謎の物体の影響で車が事故を起こして立ち往生してしまう。
謎の物体を確認するために現場へと向かった彼らは、その場所で小型の宇宙船のような物体と毛玉のような小さな謎の生物を発見する。
生物がエイリアンではないかと考えた彼らは、生物に『マンピー』と名前を付けて保護するが、マンピーを追うかのように凶悪な人食いエイリアンの群れが襲来。
なんとかしてエイリアンの襲撃をしのいだ彼らだったが、エイリアンによって殺されたはずの仲間たちが、次々とゾンビ化して彼らに襲いかかり…
田舎町にフィールドワークに訪れた大学生たちを、正体不明の人食いエイリアンとソンビの群れが襲う…という、モンスターパニック映画。
タイトルやら設定やらエイリアンのデザインやらが、80年代に作られたSFモンスター映画の「クリッター」に妙に似ているので、一瞬、「クリッター」のリメイクとかオマージュ的な内容の作品かと思ったのですが、特にそういう訳ではありませんでした。
お話としては、『大学生の一団が田舎町で毛玉のような可愛いエイリアンを保護するんだけど、そのエイリアンを追って人食いエイリアンの群れが彼らを襲撃、更には人食いエイリアンたちは殺した人間をゾンビとして操る術を持っており、大学生たちが大ビンチに晒される』みたいな感じの展開。
ノリとしては、ギャグ要素のあるドタバタ系のSFホラー映画みたいな感じの内容で、『「グレムリン」のモグワイみたいなデザインの可愛いエイリアンを狙って襲撃してくる、ゴブリンみたいな見た目の凶悪宇宙人の群れと大学生の一行が戦う』というそれだけの内容。
特に捻った要素も無くて、ただただ主人公たちが『終始ドタバタとソンビやエイリアンたちと戦っているだけ』といった内容で、お話的にはあまり面白味がありません。
ドタバタ系のアクションコメディという事で、テンポ良く楽しめる内容であればそれはそれで良いのですが、それがいまひとつ微妙な出来栄えなのが困りもの。
エイリアンと大学生の対決が、特に見せ場もなくひたすらドタバタしているだけなので、どうにも全体的にお話にメリハリが無いんですよね。
エイリアンはいかにも80年代風デザインで、アニマトロニクスとCGを合わせたような感じで悪くないのですが、肝心のエイリアンとの戦いが殆どのシーンが『エイリアンの操るゾンビ』と戦っているだけなので、絵的に面白味が無くて観ていてどうにも冗長。
ところどころで出てくるギャグっぽいネタも寒くて、テンポが悪いせいで100分程度の映画なのに150分ぐらいの長尺の映画を観ているのかと錯覚をしてしまうようなレベル。
無駄にマジメな軍人とか極道少女とか一部に魅力的なキャラも居るのですが、登場人物が無駄に多いせいで主要キャラの個性が埋もれてしまっており、あまり見せ場が無いのも残念なところ。
エイリアンのマペットが妙に気合が入っていたり、無駄に多い乱闘シーンが多くてアクションい力が入っていたりと、それなりに気合を入れて作られてるっぽいのに、どうにも無個性で無駄な部分が目に付いてイマイチな印象ばかり残ってしまう作品でしたよ。
総評としましては、テンポの悪さとネタの寒さばかりが目に付く『残念な出来のSFモンスターパニック映画』って感じですね。
もうちょっと『本作ならではの個性』を活かすような作りになっていれば評価は違ったのかもしれませんが、いま一つ狙ってる方向性を活かしきれて居ない作品という印象でした。
壊滅的に酷い出来ではないのですが、あまりオススメ出来るようなレベルでもないので、よほど気になっているのでもなければスルーしてしまっても良いような一本かもしれませんよ。