NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アンツ・パニック 巨大蟻襲来」(60点/モンスター)

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■■■「アンツ・パニック 巨大蟻襲来」■■■
(60点/モンスター)

 モーターサイクルのライダーのルーカスと、その弟でメカニックのブライアンは、レースの祝勝パーティーを行うために砂漠の会場へと向かう事となる。

 しかし、ふとした事からパーティーの会場を抜け出した彼らは、砂漠の真ん中に放棄された軍事基地らしき施設を発見。
 興味本位でその基地に侵入したところ、人間ほどのサイズのある巨大アリに遭遇する。

 巨大アリをなんとか撃退した彼らだったが、その基地では過去に宇宙から落下した隕石から採取されたエイリアンの遺伝子と、アリとクモの遺伝子をかけあわせて作られた巨大アリ型のモンスターを作り出して研究しており、その巨大アリたちが未だにこの辺りに生息している事を知る。

 また巨大アリが繁殖するためにアルコールを必要とする事から、パーティー会場を狙っている事を知った彼らは、仲間たちに危険を知らせるためにパーティ会場へと向かうが…



 放棄された軍の施設で繁殖したエイリアンとアリの遺伝子を組み合わせて作られた巨大アリの群れが若者たちのパーティ会場を襲撃する…という、モンスターパニック映画。

 軍の作り出した巨大アリを題材としたオーソドックスな作りのスペイン/フィンランド製のモンスター映画ですね。

 設定を見てのとおり特にコレというほどの変わった特徴も無いですし強い個性も無いのですが、これがなかなか丁寧にシッカリと作られた作品という印象。

 まず何が丁寧って、キャラクターの立て方が非常に丁寧。

 主人公たち兄弟のキャラが非常に良く立っており、自分に自信の持てない弟に、成功者であり弟の事をからかいつつもなんだかんだ言いながらも気遣う兄といった兄弟の関係がシッカリと描かれているため、主人公たちの行動に説得力があるんですよね。

 また脇役であるヒロインやら主人公のライバルといった周辺のキャラもなかなか良い味を出しており、いろいろと良い感じにお話を盛り上げてくれます。
 (まあライバルに関しては、もうちょっと出番があっても良かったと思うけど…)

 そして何より、モンスターである『巨大アリ』が個性的で面白いのは良いところ。

 巨大アリはCGで作られてる(一部マペット?)んですけど、何故か矢鱈と『着ぐるみっぽい動き』で、CGのクセに妙にたどたどしく走り回ったりとか、ビールの缶を手で持って一気飲みしたりとか、無駄に妙に人間臭いアクションを見せてなんだか笑わせてくれます。

 ノリがちょっとコメディ系に寄り過ぎな印象も受けますが、作品の方向性からしてそういう明るいお馬鹿系のノリなので『まあまあ許容範囲かな…』という感じ。

 終盤では、一般人の主人公たちが怪物に対抗するためにコンバットアーマーを登場させたりとか、なかなか盛り上げ方もなかなか上手いですし、その辺りもソツの無い作りといった感じですね。

 ただソツは無いのですが、もう一つ『突き抜けきれてない感じの部分』もあるのは残念なところ。

 巨大アリは出番は多いものの、襲撃シーンやパニックシーンは少な目モンスター映画として観るとどうにも盛り上がりに欠けます。

 映像の安っぽさとかからし『予算が足りなかったんだろうなぁ』と感じる部分は多いので仕方ないところではあるのでしょうが、もうちょっと頑張ってパニックシーンを描いて欲しかったところです。

 あと、本編に割と何度も出てくる『必殺マン』という劇中劇のヒーロー出番が本当にラストだけだったのは、ちょっと残念だったかなぁ?
 あれだけ劇中で触れられるキャラなんだし、もっと出番があっても良かった気はしますよ。(というか妙にネタを引っ張るあたり、この人って誰か有名な人なんだっけ?)


 総評としましては、物足りない部分もあるものの『まあまあ良く出来たモンスターパニック映画』という感じの作品ですね。

 ややコメディ系の明るいノリのモンスター映画ですので、「スパイダー・パニック」とかそういうノリの作品が好きならば、そこそこ楽しめる一本ではないかと思います。

 強く推すほどではないですが悪くないレベルの完成度ではあるので、その手のジャンルが好きならばチェックしてみて良い映画という感じかもしれませんよ。