NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「スノー・モンスター」(55点/モンスター)

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■■■「スノー・モンスター」■■■
(55点/モンスター)


 近未来。
 未知の生物の遺伝子調査のために北極圏へと調査に向かったホン遺伝子研究所のシャオチンらの率いる調査チームが、北極圏の平原で全長数十メートルの雪男のような姿をした超巨大生物と遭遇。
 そのまま行方不明となってしまう。


 研究所は、元所員でシャオチンの元恋人である探検家のレンに調査チームの救助を依頼。


 シャオチンの行方と追うレンは、救出部隊と共に北極圏の奥地に謎の古代遺跡を発見するが、その場所は太古の生物が存在し生物を巨大化させる地磁気に覆われた未知の領域だった…

 


 北極圏の未知の領域に新種の生物の調査に訪れた調査チームが、超巨大な雪男である『スノー・モンスター』と遭遇する…という、怪獣映画風味のモンスターパニック映画。


 このところ中国で矢鱈と量産されているモンスター映画や生物パニック映画のうちの一本なのですが、同じ中国製で少し前に発売された「シン・ジョーズ 最強生物の誕生」とあまりにもノリやテイストが似ているので同じ制作会社の作品なのかと思いきや、別に同じメーカーや制作者という訳では無い模様です。


 最近の中国は、こういう破天荒なノリのモンスター映画が流行っているのでしょうか?
 まあ、個人的には好みのタイプの作品なので大歓迎ではあるのですが…


 それはさておき、お話としては『北極圏の未開の領域に調査に訪れた研究者のチームが、未知の生物に襲撃されてピンチに陥るも、突如として現れた巨大な雪男によって危機を救われる…』みたいな流れのお話で、完全にキング・コング」をオマージュしたの作品という感じですね。


 『スノー・モンスター』が、見た目は恐ろしいものの実は心優しい巨大な雪男だったり、雪男を神として崇める先住民の一族が登場したり…といった辺りも、完全にプロットがまるパクリなのですが、まあこの辺はお約束的なオマージュとしても許される範囲ではないかと?


 主役の『スノー・モンスター』以外にも、『人間の脳を喰う殺人カラス』の群れやら、『雪の中を自在に泳ぐ巨大な雪ザメ』が登場したり、元ネタの「キング・コング」と同様に破天荒なモンスター映画のテイストをシッカリと継承しているのは、モンスター映画好きとしては嬉しいところ。


 『スノー・モンスター』と『雪ザメ』の対決シーンなんかも描かれており、本作の見せ場として楽しませてくれます。


 モンスターの見せ場以外に意外と格闘シーンやアクションシーンも豊富で、特に先住民のお姉ちゃんがルチャ・リブレっぽい空中殺法で戦ったりするシーンは割と見ごたえがあります。


 ストーリーとしては、『スノー・モンスター』を捕獲して他企業に売りさばこうとする裏切者一派と、先住民と協力して『スノー・モンスター』を守ろうとする主人公一派に別れて戦うという展開がメインとなっている感じなのですが…


 せっかくスケールのデカいモンスターが登場しているのに、人間同士の争いがメインのせいでお話が妙に小ぢんまりした感じになってしまっているのは残念なところ。(その辺りも「キング・コング」のオマージュだと言えばそうなんですが…)


 お陰で、割と細々とした人間同士の争いやらドラマ部分に尺を多くとられてしまい、『スノー・モンスター』の暴れるシーンやら見せ場やらがちょっと控え目になってしまっているんですよね。


 せっかく数十メートルの巨大生物を登場させてるんだから、もっとモンスターバトルやら破壊シーンを派手に見せて欲しかったところですよ。(まあ、予算の都合もあるんでしょうけど…)


 あと、どうでも良い事ですが、主人公たちが北極圏に調査に行くのに何故か『近所に買い物に行くような革ジャン』を羽織って現地で調査を進めるのは、流石にいかがなものかと?


 キャラのビジュアル重視にしかたったのかもしれませんが、そこはもうちょっとリアリティーがあっても良かった気がしますよ。(笑)


 ちなみに、オチでいかにも『続編に続く』みたいな演出のシーンがあったので、次は実際に『スノー・モンスター』が派手な怪獣バトルを繰り広げる続編が作られることに期待したいところですよ。

 


 総評としましては、ストーリー・特撮ともに安っぽい部分もあるものの『そこそこ観れるレベルのモンスターパニック映画』って感じの作品ですね。


 モンスター映画としてのツボは割と押さえられていますし、ちょっと冗長な部分もあるもののアクション映画としても普通に観れる内容という印象。


 キング・コング」のオマージュ的なB級作品のなかでは比較的キチンと作られてるレベルだと思いますので、『中華製キング・コング』的なノリの作品に興味があるようでしたら、チェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。