■■■「マリグナント 狂暴な悪夢」■■■
（７５点／サスペンス：オススメ）
妊娠し出産を控えたマディソンは妊娠から来ると思われる体調不良に悩まされていたが、彼女は以前にも流産を繰り返した過去があった事から、DV気質の夫のデレクは彼女の出産に反対し、いつも以上に粗暴になっていた。
そんなある日、彼女の自宅に正体不明の『不気味な男』が侵入してきて夫を殺害するという事件が発生。
現場を目撃した彼女自身も負傷し、またしてもお腹の子供を流産してしまう。
しかしそれ以降、彼女は彼女たちを襲った『不気味な男』による異常にリアルな殺人事件の現場の悪夢を見るようになり、また現実にも彼女が悪夢でみた状況と同様の殺人事件が起こっている事を知る。
彼女は、超人的な身体能力で次々と殺人を繰り返す『不気味な男』の凶行を止めるために、警察に自分が見た悪夢の事を相談するが…
正体不明の殺人鬼に襲われた女性が、それ以来、殺人鬼による殺害現場の異常にリアルな『悪夢』を見るようになり、現実にも連続殺人が起こっている事を知る…という、サイコスリラー風味のサスペンスホラー映画。
「ソウ」やら「死霊館」で有名になったジェームズ・ワン監督の新作サスペンスホラーで、公開時に話題になっていつつも劇場で見逃していたので配信開始されたものをチェックしてみたのですが…
いやはや、確かにコレは凄い！！
話題になるのも納得の、物凄いインパクトの『数年に１本出るか？』というレベルの快作ホラー映画でしたよ。
一応、ちょっと意外性のあるタイプのサスペンス映画なので、本作に関しては出来れば『詳しいストーリー』は知らずに観た方が楽しめる内容だと思うため、あまりネットの感想とかを読まない方が良いとは思います。
という訳で核心の部分のネタバレは避けますが、予備知識なしで本作を観たい人は、ここから先は読まない方が良いかもしれません…そんな訳で…
*******ネタバレ改行*******
*******ネタバレ改行*******
*******ネタバレ改行*******
*******ネタバレ改行*******
*******ネタバレ改行*******
ただネタバレ注意とはいいつつも、作中で冒頭から『ストーリーの核心』に触れるような手がかりが提示されつつ物語が進んでいくので、実際にはそこまでネタバレに神経質にならなくても良い作品という印象。
お話としては『ある事件を切っ掛けに、謎の連続殺人鬼による殺害現場を「悪夢」として見るようになった主人公が、殺人鬼の凶行を防ぐためにその謎を追ううちに、自身の過去に関わる驚くべき秘密を知る事となる…』みたいな感じの展開。
『殺人鬼』と『悪夢』の関わりの謎を追うような形で物語が進んでいくのですが、サクサクと新たな事件が起こっていって盛り上げてくれるうえに、良い感じに謎解きの手がかりを小出しにしつつ進行していくため、非常にテンポ良くて退屈せずに観れるのは良い感じ。
特にこの手がかりの『小出し』具合が仕方が非常に上手くて、視聴者に『衝撃の展開』が待っていることを予想させつつも、核心の部分には触れないようにお話が進んでいくため、興味や緊張感が適度に持続する作りになっているのは上手いです。
この辺の謎解きの引っ張り方やお話の緩急のバランス感覚の良さは、『流石はジェームズ・ワン監督だな…』と素直に感心させられました。
他にも『現実』と『悪夢』が切り替わるシーンの映像演出も面白いですし、不気味な『謎の殺人鬼』のビジュアルなんかもなかなか良い感じ。
前半では『ちょっと殺害シーンが地味かな？』と思わせる部分もありますが、後半は予想以上に派手な展開で楽しませてくれるため、その辺も抜かりがありません。
あと終盤の怒涛（どとう）の展開は、あまりにも怒涛すぎて『えっ、そんなのアリ！？』と素でツッコみを入れたくなるレベルだったので、是非とも自分の目で確認していただきたいところ。(笑)
（ただ怒涛の展開すぎて、ちょっと好みの別れる部分ではあるかも？）
またグテグテになりそうな設定でありながらも、オチの落としどころも非常に上手かったですし、ホラーファン的には色んな意味で非常に満足度の高い作品でしたよ。
総評としましては、素直に『非常に良く出来たサイコスリラー風味のサスペンスホラー映画』という感想の作品です。
完全な新作ホラーとしては『数年に一本レベルの大当たり作品』だと思うので、ホラー映画好きの人には是非とも観ておいていただきたいところ。
ただ、サイコサスペンスが題材という事で謎解き重視の『シリアス作品寄りのストーリー』を期待してるとちょっと肩透かしを喰らうかもしれないので、その辺は要注意かも？
