■■■「ザ・ボーイ ~残虐人形遊戯~」■■■
(55点/オカルト)
ある日、ライザとジュードの母子は夫の留守中に自宅に押し入ってきた強盗に襲われ、そのトラウマからライザは毎夜のように悪夢に悩まされるようになり、息子のジュードは失語症へとなってしまう。
彼らは、夫の勧めでトラウマの治療のために事件のあった街を離れ、一家で森の奥の一軒家に移り住むこととなるが、移り住んだのその日に森を散策中に屋敷のような巨大な洋館のそばで奇妙なアンティークドールを発見。
ジュードはその人形をいたく気に入り、持ち帰って『ブラームス』と名付け、まるで家族のように大切に扱うようになる。
最初は人形のことを不気味に思っていた夫妻だったが、ジュードが『人形とのみ会話ができるようになるまでに失語症から回復』したことから、息子のそばに人形を置くことを容認。
しかし『ブラームス』が彼らの家に訪れてから、彼らの周りで不気味な現象を起こるようになっていき…
とある一家が森で拾った不気味なアンティークドールにまつわる恐るべき事件とその秘密を描いた、人形ホラーものオカルトサスペンス映画。
2016年に作られた「ザ・ボーイ~人形少年の館~」の続編で、ストーリー的にも繋がりのある内容となっているキチンとしたシリーズの新作にあたる作品です。
映画感想:「ザ・ボーイ~人形少年の館~」(55点/サスペンス)
https://uei-nanigashi.hatenablog.com/entry/68304218
前作をご覧になられた方なら『どうやってあの作品の続編を作るんだよ?』と疑問を感じるかもしれませんが、ここからは前作も含めた映画のネタバレになってしまうので、これから先の感想はネタバレを見たくない人は読まないようにしていただきたいのですが…
<ネタバレ改行>
<ネタバレ改行>
<ネタバレ改行>
前作は『人形ホラーと思わせておいて実はサイコスリラー映画でした』という意外性のある展開がウリとなる作品となっていたのですが、本作では『前作の事件も通じて、実は呪いの人形が原因で事件が起こっていたんだよ!!』みたいな新解釈がなされており、ある意味で捻りの効いた設定になっているともいえるのですが…
いや、それって前作も含めて『普通の人形ホラーものオカルト映画でした』ってなったということで、逆に特に捻りの無いオカルト作品になっちゃっただけなんじゃ?
…とかって身も蓋も無いツッコミを入れたくなったのは自分だけ?
まあ作品の根本部分へのツッコミはさておき、本作が普通の人形ホラーとして面白いかと言われると、オカルト作品としては総じて悪くない出来の作品という印象。
人形を絡めた『不気味さを盛り上げる演出』も悪くなくて、むしろオカルト映画としての演出等は前作よりも良くなったように感じます。
また、前作では『人形』そのものがあまり怖そうな雰囲気を出していなかったのですが、本作では割とシッカリと『怖そうな雰囲気』を出しているのも好感触。
『事件が起こりそうな空気感』とかの演出も割と良い感じですし、適度に謎解き的な要素もあって退屈させない作りになっているのも悪くありません。
ただ雰囲気は悪くないのですが、全体的にテンポが遅めで大きな事件とかが起こらないままにお話が進んでいくシーンが多いために、ちょっと冗長に感じる部分も…
あと『人形の秘密』にやや唐突過ぎる感があることや、ラストの展開がちょっとアッサリしすぎて物足りない辺りなんかも、やや残念なところかな?
いっそ無理に前作の続きにせずに、前作の事は忘れて似たような設定の別の作品にでもした方が良かったんじゃないかなぁ… という気がしたのは自分だけ?
総評としましては、まあまあ良く出来た『人形ものオカルトホラー映画』って感じの作品ですね。
前作と比べると『普通過ぎる作品』になってしまったきらいはあるものの、『普通のオカルト映画』として観るなら、やや地味ながらも悪くない完成度の映画ではないでしょうか?
前作を好きな方に『見るのをオススメするか』と言われると悩ましいところですが、『続編としてそれなりに楽しめるレベル』には仕上がっているので、気になるようであればチェックしておいても損は無いと思いますよ。