■■■「アナベル 死霊人形の誕生」■■■
(40点/オカルト)
12年前に幼い娘を事故で亡くした人形師のマリンズ夫妻は、孤児院が閉鎖された事で行き場を無くした6人の少女とシスターをボランティアとして自分の屋敷に住まわせる事となる。
6人の少女たちは、屋敷にただよう不気味な雰囲気に戸惑いながらも生活を始めるが、存在しない人影が目撃されたりと不気味な現象が発生。
やがて足の不自由な少女のジャニスは、ある日、鍵がかかって封印されているはずの部屋の扉が開いているのを目撃し、好奇心から中に入ってみたところ不気味なアンティークドールを発見するが…
オカルトホラーシリーズの「死霊館」のスピンオフタイトルである「アナベル」の前日譚に当たる内容のオカルトホラー映画。
いわゆる『呪いの人形』である「アナベル」の誕生エピソードに当たるような作品で、いかにして「アナベル」が呪いの人形になったかが語られるようなお話ですね。
正直、「死霊館」のシリーズは面白いもののスピンオフの「アナベル」の方は前作もあまり面白く無かったのですが、 本作も同様に非常に微妙な内容の作品という印象です。
というか前作の「アナベル 死霊館の人形」でも、同じような呪いの人形の誕生エピソードをやったのに『また誕生エピソードをやるんかい?』という気も…
お話としては「アナベル」がもともと作られた家で、どういった経緯でアナベルが呪いの人形になったのかが語られるような内容で、『6人の孤児の少女が事件に巻き込まれていく』というような展開。
人形の呪いは果たして『死んだ少女の霊』が原因なのか…とか、少女たちの前に姿を現さない『夫人』に隠された秘密はなんなのか…といった具合に謎解き要素を盛り込んでミステリー仕立てにお話が進んでいく感じで、屋敷の不気味な雰囲気なんかも含めてなかなか良く出ています。
ただ雰囲気は悪くないのですが、お話そのものがどうにも退屈なんですよね。
怪奇現象なんかはそこそこ描かれるのですが、描かれる怪奇現象の内容が地味でいま一つ盛り上がりに欠ける印象。
山場となるようなシーンがあまり無いせいでお話がメリハリに欠けて、中盤辺りまでの展開が正直言ってダルいです。
終盤で謎解きが進んできてからの展開はそこそこ盛り上がるのですが、肝心の「アナベル」そのものの存在感が薄くて、何を描きたいのか判然としないのは困りもの。(ぶっちゃけ、途中で登場した『カカシのお化け』の方が印象が強いようなレベル。)
そもそも『6人の少女』が登場するオカルト作品って事で、てっきり「サスペリア」みたいなフェティッシュな殺され方でもするのかと期待してたのですが、殆どのメンバーが単なる賑やかしみたいな扱いで『6人の少女を出した意味ってあんまり無かったよね?』って感じだったのが、なんとも物足りないところでしたよ…
オチに関しても、そもそも「前日譚」なのでお約束のように投げっぱなしな終わり方ですし…
というかラストの展開とか唐突すぎて割と本気で意味が分からなかったのですが、もうちょっとどうにかならなかったもんですかね…
(「アナベル 死霊館の人形」に繋がってるという事が言いたいのは分かったんですが、あれって『前作を観てないと本気で意味不明だろ』って気が…)
総評としましては、どうにも『メリハリが無くて物足りなさの残るオカルトホラー映画』って感じの作品ですね。
前作も微妙でしたが本作はそれに輪をかけて微妙な印象なので、前作で物足りなかった人は普通にスルーしてしまっても良いかもしれません。
「死霊館」シリーズの方は割と普通に面白いので、もう「アナベル」のシリーズの事は忘れて、そっちのシリーズの続編を早く作って欲しいものですよ…