■■■「死霊館 悪魔のせいなら、無罪。」■■■
(60点/オカルト)
1981年11月、心霊研究家のウォ―レン夫妻は神父と協力して8歳の少年に取り憑いた悪魔を祓おうとするが、悪魔の力は強力で悪魔祓いに失敗。
夫のエドは重傷を負わされたうえに、少年を庇った青年アーニーに少年から抜け出した悪魔が取り憑いてしまう。
それ以降、悪魔の声や幻覚に悩まされる事となったアーニーは、悪魔にそそのかされて友人を刺殺。
ウォ―レン夫妻は事件が『悪魔の仕業』であることを裁判で証明するために証拠集めを開始し、悪魔祓いに詳しいカスナー神父へと協力を求めるが…
ゴーストハンターとして知られる心霊研究家のウォ―レン夫妻の、悪魔祓いを契機とした戦いを描いた、「死霊館」シリーズの最新作に当たるオカルトサスペンス映画。
オカルト映画としては、すっかりお馴染みとなった「死霊館」シリーズですが、多くのスピンオフが作られているものの、自分はやはりウォ―レン夫妻の活躍を描いたメインのシリーズが一番好きですね。
今回は、そのメインのシリーズの最新作という事ですが、相変わらず良く出来たオカルトサスペンス映画に仕上がっているという印象です。
お話としては、『ウォ―レン夫妻がとある少年に取り憑いた悪魔を祓おうとするものの、力及ばす失敗し悪魔は別の青年に取り憑き、その青年が殺人事件を犯す事になる。夫妻は死刑を求刑された青年を救うために「悪魔の存在」を裁判で証明するために、証拠集めを行う事となるが…』といった感じの展開。
実際にあった『悪魔憑きを扱った関連した裁判』を題材としたストーリーなのですが、夫妻は『少年に取り憑いた悪魔がどこから現れたのか』の謎を追ううちに、犠牲者一家に『呪い』をかけた何者かの存在に気づき、その正体を追っていく…みたいなのがメインの流れとなっており、いつも以上にサスペンス要素が強めのお話となっている印象。
『悪魔に取り憑かれた青年』と『事件の黒幕』を追うという、2つの事象を中心にお話が展開していくのですが、煩雑にならないレベルでテンポ良く進んでいく謎解き系サスペンス的なストーリーはなかなか良く出来ています。
また、サスペンス要素だけでなくオカルト要素も抜かりなく作り込まれており、特に序盤の『悪魔祓い』のシーンの迫力のある映像は一見の価値アリ。
他にも今回は夫妻のライバル的な存在が登場してみたり、バトル的な要素が取り入れられていたりするのも、今までと違うテイストで面白いですね。
すっかり『心霊バトルヒーロー』みたいな扱いになりつつあってので、今後も『ウォ―レン夫妻シリーズ』を続けていってくれそうな雰囲気が感じられるのは期待が持てそうなところ。
ただお話としては、ウォ―レン夫妻は『裁判で悪魔の存在を立証するための証拠探し』を行う筈だったのに、本編では殆ど『犯人探し』に終始しており、最後の裁判のシーンでちょっと釈然としない気持ちになってしまったのは気になるところかも?
結局、裁判官を納得させるような証拠は集められてない気がしたのは自分だけ?(だからこその裁判のオチだというようにも受け取れますが…)
総評としましては、シリーズものとしては『正統な新作』と言える感じの『良く出来たオカルトサスペンス映画』ですね。
「死霊館」のシリーズで、特にウォ―レン夫妻の活躍を描いたシリーズが好きな人であれば、間違いなく観ておいて損は無い一本という印象。
(でも観てない場合は、『ウォ―レン夫妻』のキャラとしての立ち位置が良く分からないかもしれないので、旧作を先に観た方が良いかも?)
今後のシリーズ展開にも期待できそうなノリの新作でしたので、ファンの人はとりあえずチェックしておきましょう。