■■■「死霊館のシスター 呪いの秘密」■■■
(65点/オカルト:オススメ)
1956年。
フランスのタラスコンの教会で。悪魔らしき存在によって神父が惨殺されるという事件が発生。
その事件を皮切りに各地の教会で、悪魔の攻撃によると思われる怪事件と犠牲者が次々と発生するようになる。
強力な悪魔が蘇ったと考えたバチカンの枢機卿は、以前に悪魔と対峙して撃退したシスターのアイリーンに事件の調査を依頼。
同僚のシスターであるデブラと共に調査を開始したアイリーンは、かつて彼女と共に悪魔と戦った使用人のモーリスが悪魔に取り憑かれてしまったのではないかと考えて彼の足跡を追うが、やがてかつて撃退した最恐の悪魔である『シスター・ヴァラク』と再び対峙する事となっていくのだった…
「死霊館のシスター」で封印された最恐の尼僧悪魔である『シスター・ヴァラク』が復活し、悪魔を封印した尼僧であるアイリーンと再び対決する事になる…という、オカルトホラー映画。
「死霊館」シリーズのスピンオフである「死霊館のシスター」の続編に当たる作品ですが、最恐尼僧である『シスター・ヴァラク』のみでなく、前作の主役級のメンバーが続投する形で出演するという、前作から割とガッツリと繋がった地続きの話になっています。
ただ設定的には繋がっているのですが、ストーリー的には割と独立した感じの内容になっており、特に前作を観ていなくても十分に楽しめるレベルの作品になっているのはなかなかバランスの取れた設定の作り方という印象。
お話としては『撃退されて地獄へと送り返された筈の「シスター・ヴァラク」が再び蘇り力を取り戻すための行動を開始。バチカンは以前にヴァラクを封印したシスター・アイリーンにその調査と撃退を依頼するが…』みたいな感じの展開。
「死霊館」シリーズの新作が『バトルもの』的なノリにシフトして好評だった事を受けてか、こちらも『悪魔との対決』をメインに据えた『バトルもの』的なノリに移行されており、雰囲気重視でややモッタリとした印象だった前作に比べて予想以上に派手でテンポの良い作品に仕上がっています。
ストーリー的には、謎解きがメインのオカルトサスペンスといった感じのノリなのですが、前作のおさらいも兼ねた謎解きパートやらキャラの立て方も良くできていますし、要所要所のオカルト演出も良い味と雰囲気を出しており、全体的に非常にクオリティの高い作りになっている印象。
「シスター・ヴァラク」も以前の『物凄く顔の怖いシスター』といった印象から物凄くパワーアップして最強悪魔っぽい迫力と物理攻撃力(海外の悪魔はだいたい物理攻撃が得意(笑))を身に着けて復活しており、非常にカッコ良い存在として描かれているのも燃える要素となっています。
また、主人公のバディ的な存在とした登場した不良シスターのデブラも、新キャラとしてなかなか良い味を出しています。
ただ、謎解きパートやストーリーパートやキャラの掘り下げ等に比重が置かれているせいか、悪魔が本格的に登場するのが割と終盤になってからで、やや見せ場が少なくて物足りない部分があるのは残念なところ。
もうちょっと派手に暴れさせて、犠牲者を増やして欲しかったです。
また『呪いの秘密』とサブタイトルに付いていて、いかにも『シスター・ヴァラクの重要な秘密が語られる』みたいな雰囲気を漂わせているのですが、この辺に関しては何か『分かったような分からないような程度』しか語られて居ないので、そういう方面に期待しているとちょっと肩透かしを食らうかも?
とまれ、全体的になかなか熱くて面白い内容だったので、いっそ「アナベル」も含めて今後の『死霊館ユニバース』の作品はこの方向性で新作を作っていって欲しいところですよ。(まあ本作の続編が作られる予定があるかは謎ですが…)
総評としましては、『なかなか良くできているうえに、続編としてもシッカリと作られたオカルトサスペンス映画』って感じですね。
個人的には、前作の「死霊館のシスター」がやや物足りなかった印象なので、本作でその不満が一気に解消された感じなのは良かったです。
とりあえず、前作を観た人であれば間違いなくオススメできる内容ですし、中身的には前作を観ていなくてもそこまで困らないようなストーリーですので、その手のジャンルが好きな人であれば普通にチェックしておいても損はない一本ではないかと思いますよ。