NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「バナナ・スプリッツ・ホラー」(60点/スプラッター:結構オススメ)

■■■「バナナ・スプリッツ・ホラー」■■■
(60点/スプラッター:結構オススメ)


 9歳の少年ハーリーは、大好きな子供向けバラエティー番組である「バナナ・スプリッツ」の公開収録を、両親と兄と友人のゾーイと共に観覧する事となる。


 そのショーは、AIを搭載したロボットたちによる長年の人気を博した番組だったが、ショーの古臭い作りから新任プロデューサーによって密かに打ち切りが決定されていた。


 しかし打ち切りの情報を知ったAIロボットたちは、番組を打ち切りさせまいと暴走。


 打ち切りを決定した大人たちを次々と殺害していき、撮影スタジオは大パニックに陥っていくのだった…

 


 子供向け番組の着ぐるみAIロボットたちが暴走して、関係者や観客たちを次々と殺害していく…という、コメディ風味のスプラッター系ホラー映画。


 人気ゲームである「Five Nights at Freddy's」の人気に触発されたのか、最近ちょっと増えつつある『オモチャの殺人ロボット(ぬいぐるみ風)が人間を殺す』系のホラー映画の新作ですね。


 まあ本家の「Five Nights at Freddy's」も映画化される事ですし、同じような方向性であるニコラス・ケイジの主演していた「ウィリーズ・ワンダーランド」もそこそこヒットしたので、類似作品が増えて来るのは割と順当な流れかも?


 本作も「ウィリーズ・ワンダーランド」に出遅れた感はありますが、内容的には二番煎じという感じは無くて意外にもシッカリと作られたスプラッタ系ホラーという印象。


 お話としては、『番組の打ち切りを知った子供向け番組のAIロボットたちが、自分たちの存在意義を守るために大人たちを殺害して番組を継続しようとする』みたいな内容。


 ほのぼのとしたバラエティショーの公開収録が開催されている裏で『番組を打ち切ろうとする大人たち』が次々と殺害されていく…みたいな感じでお話が展開していくのですが、この『大人たち』の殆どが非常にムカつく連中ばかりのため、クソな犠牲者たちが惨殺されていく展開はなかなかに痛快です。


 逆に事件に巻き込まれる子供たちは主人公も含めてみんな矢鱈と良い子ばかりで、コテコテな設定がらも観ていてストレスが貯まらない作りなのは良いですね。(誰が殺されるか非常に分かりやすい構成(笑))


 殺害の方法も割とバリエーション豊富で色々と凝っており、観ていて退屈させないような工夫がされているのも良い感じ。


 ただ惜しむらくは、いかんせん低予算故か『特撮が全体的に非常に安っぽくてチャチな部分が目に付く』のは気になるところ。


 残虐シーンも物凄い安っぽくて作り物感が全開(良く言えば80年代スプラッタ映画のリスペクト)ですし、AIロボットたちも普通に着ぐるみにしか見えない(まあ実際に着ぐるみなんだけど)ので、もうちょっと異形感やロボット感を出す演出とかが欲しかったところ。


 あと、バラエティショーの演出を利用した殺害シーンに関しても、ちょっと中途半端な印象だったので、もう少し凝った『殺人トラップ』的なギミックがあっても良かった気がしますよ…(ヌルヌルの床が劇薬になってるとかパイに刃物が仕込まれてるとか…)


 でもまあ物足りない部分もありつつも、終盤の展開とかは予想以上に熱いですし、ラストのオチもなかなかにパンチが効いてて良い感じでしたし、思った以上に楽しめた作品でしたよ。

 


 総評としましては、『低予算ながらもなかなかに良く出来たスプラッター系ホラー映画』って感じですね。


 ストーリー的にちょっとコテコテすぎる感はありますが、むしろお約束や定番の展開で安心して楽しめる内容ともいえますので、そういうノリが好きであれば悪くない印象。


 ちょっと流行りつつある『オモチャ(着ぐるみ)ホラー映画』というジャンル系作品としては十分に完成度の高い作品ですので、気になるようであれば普通にオススメしておいても問題のない一本ではないかと思いますよ。