■■■「テリファー」■■■
(50点/スラッシャー)
ハロウィンパーティの帰り道。
酔い覚ましにダイナーに立ち寄ったタラとドーンの二人は、ダイナーで不気味なビエロメイクの男性と出会う。
男の態度に異様なものを感じたタラはドーンと共にダイナーを逃げるように後にするが、車に戻ったところタイヤがパンクしていることを発見。
タラは妹に電話をかけて迎えに来てもらうこととするが、その頃、不気味なピエロ姿の男はダイナーの店員たちを殺害して、まさにタラたちを追跡しようとしていた…
ハロウィンの夜にピエロの扮装をした殺人鬼が、出会った人間を相手にひらすら殺戮を繰り広げる…という、スラッシャーホラー映画。
なんとなく80~90年代っぽい雰囲気の古臭い映像の作品ですが、2016年に制作された映画で国内では配信先行のタイトルとしてリリースされたもののようなのですが、Amazonプライムではいきなり無料で配信が開始されていたので、とりあえず視聴してみましたよ。
お話としては、『ハロウィンの夜に2人の女性がダイナーで不気味なピエロの姿の男と出会うんだけど、その男が実は情け無用の猟奇殺人鬼で執拗に付け狙われる』という感じの展開。
ノリも映像も80年代のスプラッターブームの時期を意識したような感じの作品で、とにかく過激なゴア描写が売りの『ひたすらゴア描写を見せるためだけに物語が展開していく』ようなお話で、ストーリーらしいストーリーは殆どありません。
というか、一応『2人の女性』が主人公のように書いていますが、実際にはどう考えても『ピエロ殺人鬼』の方が主人公で、殺人鬼の大暴れを観るための作品と考えた方が良いでしょう。
最初から最後まで『殺人鬼が出会った人間を次々と虐殺していく』だけのような展開のお話なのですが、殺害シーンがとにかく派手で血がドバドバ出まくるうえに殺し方のバリエーションも豊富。
残虐シーンも全体的に80年代のゴア映画をリスペクトしたようなノリで、痛そうなシーンもあるものの特撮映像も安っぽくて作り物感まる出しなため、あまりエグイ感じがないです。
加えて『そんなアホな』と言いたくなるようなシーンも多く、リアリティが薄くて『バカ映画』風味が強いため観ていてある意味でストレス解消にはなります。
殺人鬼のキャラクターも割と良い味を出しており、セリフを喋らないキャラながらもジェイソンみたいな感情の無いタイプではなく、ピエロらしいふざけた印象を出しつつも犠牲者を襲う時の容赦のない残虐さによって、狂気度がシッカリと表現されているのは良い感じ。
ただ派手な殺害シーンは面白いのですが、前述のとおりストーリーらしいが無い野に加えて、主人公たちのキャラも薄くて印象が弱いせいで、ホラー的な怖さや緊迫感は皆無という印象。
ぶっちゃけ、殺人鬼が暴れているシーン以外は退屈で、観ていてやや冗長な雰囲気が漂うような内容になってしまっているのは困りものです。
また、ラストも『胸糞エンド』みたいなオチになっているはずなのに、主人公側にあまり感情移入できないせいで『割とどうでもいい感じ』の印象を受けてしまったのはいかがなものかと…(笑)
総評としましては、安っぽい内容ながらも『とにかく派手な残虐表現が売りのゴア系スラッシャーホラー映画』って感じの作品ですね。
80年代の派手なスプラッター映画とかゴア映画が好きな人なら、なんとなく懐かしい気分にひたれるような作品ですし、派手な内容である意味で爽快感はありますので、そういうのが好きであればチェックしておいても良いんじゃないかと思います。
逆にそれ以外には全く見どころがなくて、ゴア描写が苦手な人には1ミリたりともオススメできない内容となっていますので、そういうノリに興味がなればれスルーしてしまって問題のない一本ではないかと…