NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「クロムスカル」(60点/スラッシャー:結構オススメ(ただしゴア映画好きに限る))

■■■「クロムスカル」■■■
(60点/スラッシャー:結構オススメ(ただしゴア映画好きに限る))


 真夜中にとある女性が棺桶の中で目を覚ます。
 棺桶から脱出した彼女は、自分が怪我のために一時的な記憶喪失になっており、どこかの葬儀場のような建物の中に閉じ込められている事に気づく。


 混乱する彼女は建物から脱出しようとするが、そんな彼女の元に金属の骸骨マスクを被り肩にビデオカメラを付けた大男が出現。


 サバイバルナイフを手に彼女を殺そうと襲い掛かってくるも、なんとか建物から逃げ出した彼女は、車で近くを通りかかったタッカーという男性に救助されて彼の家に保護されるが…

 


 金属の骸骨マスクを付けた正体不明の殺人鬼に記憶喪失の女性が執拗に命を狙われる…という、スラッシャーホラー映画。


 もともと2009年に作られた作品で、続編の「クロムスカル リターンズ」の公開に合わせて旧作ともども日本でも公開された(グロすぎて公開見送りされていたというウワサ)ようですが、最近の作品(といっても10年以上前)にしては珍しいタイプ『残虐シーンを描くために作られた』ようなコテコテのスプラッタホラー映画です。
 (ちなみに2009年の作品ですが『作中の時代背景は1990年代辺り』っぽいので、観ていてちょっとややこしい。(笑))


 一応、ストーリーもあるのですが『殺人鬼がいかに残虐で派手に犠牲者を殺すか』みたいな部分に注力されて作られたような感じで、最近では「テリファー」なんかと系列の近い感じの作品という印象。


 残虐シーンの特撮は無駄に力が入っており、いわゆる地糊ドバドバ系の古き良き感じのスプラッタ描写の連続なのですが、映像が妙にリアルで『痛そう』とかよりも『気持ち悪さ』に注力している感じの表現なのが、いかにも監督の趣味に全力で走っているっぽくて逆に清々しさを感じるレベル。(笑)


 『銀色の骸骨マスクをつけて肩に乗せたビデオカメラで殺人現場を撮影しながら、関わってくる人間を容赦なく殺しまくる』という殺人鬼の個性が非常に際立っていて、なかなかに良いキャラをしており、無駄にクールな感じの見た目とやってる事の泥臭さのミスマッチ感が良い味を出しています。


 ただ、殺害シーンの派手さやキャラの立ち具合は良いのですが、それ以外の部分が全体的にグテグテで、特に主人公の記憶喪失関連の部分がダラダラしててちょっと冗長な印象を受けてしまうのは残念なところ。


 一応は『記憶喪失のヒロインが自分の正体と殺人鬼の関係を探っていく』みたいな部分がメインのストーリーとして描かれているのですが、正直に言って謎解き要素はオマケ程度。


 またややネタバレになるのですが、終盤で『取り戻した記憶』も物凄くどうでもいい内容で、『引っ張っておいてそんなオチかよ!!』と普通にツッコミを入れてしまいましたよ。(笑)


 ラストのヒロインと殺人鬼との対決も、妙にアッサリしててちょっと盛り上がりに欠ける感じですし、その辺がもうちょっとシッカリ作られてればなあ…と思うと少し勿体なさを感じる作品でしたよ。

 


 総評としましては、粗削りで低予算っぽい作りながらも『なかなか良くできたコテコテのスプラッタ系スラッシャーホラー映画』って感じですね。


 イキオイ重視で雑な部分も多いですが殺人鬼のキャラも良く立っててカッコいいですし、80~90年代のスラッシャーホラー映画とかが好きだった人にはなかなかに刺さる作品ではないかと…


 そういう派手な残虐描写系のノリとかテイストの映画が好きな人であれば楽しめる内容だと思いますので、その手のジャンルが好きな人には割とオススメできる一本ではないでしょうか?