NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「スナッチャーズ」(55点/モンスター)

■■■「スナッチャーズ」■■■
(55点/モンスター)


 クラスで一番のイケメンであるスカイラーと付き合う事になった元オタク女子高生のサラは、すっかり有頂天となり彼とセックスする事となる。


 しかし、その翌日にいきなり妊娠が発覚し、更には1日後には妊娠9ヶ月は経過しているような奇妙な身体の状態に…


 異常な事態に驚いた彼女は、元親友でオタク仲間のヘイリーに相談し彼女と共に産婦人科へと向かうが、産婦人科でサラの子宮内から昆虫のような怪物が出現。
 怪物は病院内で大暴れして、医師たちを次々と食い殺してしまう。


 驚いた彼女たちは病院から逃げ出し、セックスする直前に南米に旅行していたスカイラーに原因があるのではないかと考え、その原因と怪物の正体を探ろうとするが…

 


 メキシコ帰りのイケメン男子とセックスした女子高生が謎のエイリアンに寄生されてしまい、周囲を巻き込んが大パニックへと発展していく…という、モンスターパニック映画。


 なんとなく『人体乗っ取り系』の侵略ホラー映画っぽい印象を受けるようなタイトルですが、実際の中身の方はスプラッタ系のモンスターホラー映画のようなテイストの強い作品です。(一応は人体乗っ取りもしますが…)


 お話としては、『とある女子高生がメキシコ帰りの恋人とセックスしたところ、お腹の中に正体不明のエイリアンの赤ちゃんが寄生。彼女の子宮から飛び出したエイリアンは次々と人々を襲い始めて町はパニックに陥っていく…』みたいな感じの展開。


 いわゆるティーンが主役の『青春モンスターホラー映画』っぽいノリで、割とコメディ要素が強めの内容の作品ですね。


 この『主人公のお腹の中から飛び出したエイリアン』がなかなかに狂暴で、図早い動きで人間を次々と噛み殺すのに加えて、人間の頭に取り憑いてその人間を自在にコントロールしたりする芸達者ぶり。


 エイリアンの暴れ回るシーンはかなり多めで、サクサクと人間を殺戮しながら大暴れしてくれるのは良い感じですが、動きが異常に素早くて姿が良く見えないようなシーンが多いうえに、血しぶきが飛び散るだけのイメージ映像的なシーンも多くて、この辺は『低予算映画だなあ』という印象。


 また、登場するエイリアンに『雌型』のものも出現するのですが、『繁殖するために人間の男女にセックスさせる必要がある』という設定は割と個性的で面白いです。


 あと、『オタクの青年たちが異常事態を解決するために活躍する』みたいな展開はお約束ながら悪くはないのですが、あんまりオタク知識を有効活用する訳でも無くて、ちょっと中途半端な印象。


 主人公が『オタク女子が旧友と絆を取り戻す』みたいな展開もあったりするのですが、主人公や周辺の人物を含めてキャラの描き込みやら掘り下げが薄くて、いま一つ魅力的に描けていないのは残念なところ。


 しかも困ったことには、その辺の描写に結構な尺が割かれているせいで、全体的にお話のテンポが悪くなってしまっているんですよね。


 お話の盛り上がりに関しても、中盤辺りからエイリアンの暴れまくるシーンが多く描かれるのですが、ラストバトルが妙に地味で盛り上がりに欠ける尻すぼみな感じの構成なのは残念なところ。


 全体的に狙ってる方向性やアイデアは悪くないと思うのですが、どうにもイデアを活かしきれて居ない感があって惜しい印象を受ける作品でしたよ。

 


 総評としましては、『悪くはないもののいま一つ盛り上がりに欠ける低予算モンスターホラー映画』って感じですね。


 モンスターの設定やら大暴れっぷりやら悪くない要素もあるのですが、どうにもコメディ要素にしてもホラー要素にしても設定を昇華しきれていない感が残るんですよね…


 まあ物足りなさはあるものの、普通に観れる内容には仕上がっているので、この手のB級モンスターホラー映画が好きな人で設定に惹かれる部分があれば、とりあえずチェックしてみても良い一本かもしれませんよ。