NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ストレンジ・ワールド 異世界への招待状」(35点/モンスター)

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■■■「ストレンジ・ワールド 異世界への招待状」■■■
(35点/モンスター)


 皆既月食の迫る夕暮れ。
 森の中の道を少年たちを乗せて夕暮れの道をスクールバスが帰路に向かっていたところ、倒木による通行止めでいつもの道を走れないという事件が発生。


 バスは倒木を迂回するために人里離れた森の中をショートカットするコースへと進むが、その途中で不幸にも武装した脱獄犯に遭遇しバスをハイジャックされてしまう。


 脱獄犯の指示で深夜の旧軍事施設の廃道となった道を進む彼らだったが、そんな矢先に長いトンネルの途中でバスがエンジントラブルを起こして立ち往生。


 運転手と脱獄犯たちは原因を調査するために車外に出るが、そこで正体不明の獣のような怪物に襲われて二人とも殺されてしまう。


 かろうじて怪物の襲撃を逃れて、トンネルの途中の通路から廃墟となった軍の地下施設へと逃げ込むことに成功した少年たちは、なんとかして怪物の徘徊する地下世界から地上へと脱出しようとするが…

 


 スクールバスで人里離れた廃軍事施設に迷い込んだ少年たちが、正体不明のコウモリ人間のような怪物に襲われる…という、ダークファンタジー風味のモンスターホラー映画。


 タイトルだけ聞くと、なんとなく異世界転移もののファンタジーっぽい印象を受けますが、実際の中身の方は特にそういう要素は無くて『閉鎖環境で怪物に襲われた少年たちがなんとかして脱出を目指す』というオーソドックスな感じ設定のモンスターホラー映画ですね。


 まず、タイトルと内容に関連が無さすぎるのが気になるところですが、コレってもしかしたらトワイライトゾーン」とか「四次元への招待(ナイトギャラリー)」辺りをモジって付けられたタイトルなのかなぁ?
 (確かに『ホラーものTV映画の1エピソード』っぽい雰囲気はあります。)


 ちなみにモンスターホラーと言いつつも、少年たちが主役だけあってかなり子供向けのテイストが強い印象で、ホラーというよりもダークファンタジー風味の冒険映画という方がシックリ来るような作品ですね。


 まあ冒険ものでもモンスターがシッカリと怖く作られてれば良いのですが、なんというか全体的にどうにもヌル過ぎて退屈な内容の作品というのが正直な印象。


 『正体不明の怪物』とか『旧軍事施設の廃墟』とか『逃走中のサイコ脱獄犯』とか面白そうな舞台装置は揃ってるのに、割と序盤から『子供向け』のテイストが強く感じられるノリのせいで『子供たちは絶対に殺されないんですよね?』みたいなスタンスが透けて見えてしまうせいで、お話に緊張感が全く感じられないのは困りものです。


 事件が起こるまでの展開も全体的にダラダラしててテンポが悪いですし、いざ『少年たちが地下施設で怪物と戦う』という話の核心的な部分に突入してからも、怪物の攻撃も主人公たちの反撃も矢鱈と手ぬるいせいでいま一つ盛り上がりや見せ場となるような部分がありません。


 『かつて怪物と対決していた謎の人物』の遺産やメッセージが残されていたりする設定とか面白い部分もあるものの、他に面白くなりそうな設定の筈の『サイコ脱獄犯』がお話に重要な位置づけで絡んでくる訳でも無く、意味ありげに語られた『旧軍事施設』やら『皆既月食』やらがお話に絡んでくるわけでも無く…


 メインとなるいわくありげな『怪物の正体』も最後まで不明のままですし、まあとにかく色々な意味で中途半端で観ていてモヤモヤしてしまいましたよ。


 あと主人公たちのキャラは、『お調子者デブ』とか『秀才系少女』とか『イキリ不良少年』とか割と良く立ってて悪くなかったんですが、各キャラが活躍するようなシーンや設定も活かすようなシーンが少なすぎなのも困りものです。


 ラストの怪物との対決や退治方法もビックリするほどアッサリしてて盛り上がらないですし、もう少しでも盛り上がる要素があれば普通に楽しめたかもしれないですけどねぇ…

 


 総評としましては、どうにも盛り上がりに欠ける『モンスターホラーとしても冒険映画としても中途半端な作品』という感じですね。


 なんというか『悪い意味で子供だましな内容』という感じで、『いくら子供向けだとしても、コレだと子供も楽しめるかどうか微妙だろ…』という感想しか出てこないような映画でしたよ。


 特にオススメするような要素もありませんし、ファミリー向けやティーン向けとして観るにも微妙な内容なので、普通にスルーしてしまっても良い感じの作品だと思いますよ。