NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ジョーズ ザ・ファイナル」(55点/生物パニック)

■■■「ジョーズ ザ・ファイナル」■■■
(55点/生物パニック)


 三姉妹の次女でシュノーケリングやマリンスポーツが趣味のニックは、過去に姉が恋人に殺害された現場を目撃した事がトラウマとなり、今も苦しんでいた。


 彼女の心の傷を癒すために、友人のジョディとリサとニックの妹のアニーはインド洋の沖合の孤島へとカヤックで向かうというバカンスを計画。


 青い空と美しい海と明るい日差しのもと沖合に漕ぎだした彼女たちだったが、そんな彼女たちを巨大なサメが襲撃。
 アニーを庇おうとしたリサがサメに襲われて命を落としてしまう。


 なんとかサメから逃れて離島へと向かう彼女たちだったが、サメは離島にバカンスに来ていた家族連れの子供も襲撃し、沿岸で遊んでいた子供が重傷を負うという事態に陥ってしまう。


 電波も届かない孤立した離島で彼女たちは、負傷した子供を救うために助けを呼ぶべく小型のモーターボートで無線のある隣の島まで向かう事となるが…

 


 南海の孤島で巨大ザメに襲撃された4人の女性たちが、なんとかして生き延びるために助けを呼ぼうとする…という、巨大ザメものの生物パニック映画。


 ジョーズ ザ・ファイナル」といういかにもB級っぽいタイトルとパッケージから地雷臭がプンプンする感じの作品なのですが、実際の中身の方は意外とシッカリと作られたリアル系のサメ映画となっています。(「ジョーズ」はともかく、何が「ファイナル」なのかはサッパリ分かりませんでしたが…)


 お話としては『とある4人組の女性が南海の無人島にカヤックでバカンスに赴いたところ沖合で巨大ザメに遭遇。仲間の一人が食われつつもなんとか離島に辿り着いたものの、その島にバカンスに訪れていた少女がサメに襲われて負傷してしまい彼女を救うために小型のボートで再び海に出る事となる…』みたいな感じの展開。


 全体的に非常にリアルな構成で、リアル故にサメは陸上に上がった人間を襲ったりはしないのですが、それでも『主人公たちが巨大ザメと対峙せざるを得なくなる』というシチュエーションの作り方に無理が無くて、お話や設定に破綻している部分がほとんど無いのは良く出来ています。


 サメの襲撃シーンなんかもひたすらにリアル指向で、姿の見えない水の中からの襲撃まで『溜め』が非常に効果的に使われており、予想以上に緊張感のあるサメ映画に仕上がっている印象。


 また、サメはCGと実写映像の組み合わせで描かれているっぽいのですが、違和感のない実写映像のチョイスやポイントで活用されるCGも良く出来ており、低予算ながらも襲撃シーンにも違和感が無くてリアルさを損なっていないのも良いですね。

 

 主人公たちとサメの対決に関しても、『一般の女性がサメと対峙できるレベルでの戦い方』にシッカリと収めてあるのは好感触。


 ただ、リアル故にサメの出番がそこまで多くないこともあり全体的に地味な内容ではあるのですが、その辺は『主人公の過去のトラウマ』やら『姉妹の家族ドラマ』的な要素を描くことで、退屈しないレベルに上手くまとめているというのも悪くない印象。


 地味ゆえにやや物足りなさはありつつも、捻りは無いもののオチもシッカリと良い感じにまとめられており、全体的にソツのない作りの作品でしたよ。

 


 総評としましては、普通に観れるレベルの『リアル系B級生物パニック映画』って感じですね・


 派手さは無いものの『全体的に非常に丁寧に作られた作品』という印象ですので、リアル寄りの生物パニック映画が好きであればそこそこオススメ出来る一本ではないかと…


 いかにもB級なパッケージですの『B級のお馬鹿ノリ』を期待してると逆にガッカリするかもしれませんが、『リアル系でジックリ観れるスリラー系の生物パニック映画』を求めているのであればチェックしておいても損は無い作品かもしれませんよ。