■■■「サメデター」■■■
(10点/生物パニック)
カリフォルニア州の周辺のビーチで、サメに襲われたと思われるバラバラの死体が相次いで発見されるという事件が発生。
そんな最中、ニューポートビーチでは週末に開業を控えたリゾートホテル「レガッタ」のオープン記念パーティ開催の準備が急ピッチで進められていた。
サメの専門家であるウエストウィン博士は、事件は複数のサメによるものだと考えて調査を開始するが、犠牲者の死体に残されたサメの遺伝子から、サメが恐るべき突然変異を起こしている事を発見。
ホテルの社長であるロバートに開業パーティを延期するよう警告を行うが…
カリフォルニア州のビーチに突然変異を起こしたサメの集団が襲来し、リゾートホテルの開業パーティを襲撃する…という、人食いザメもの生物パニック映画。
悪ふざけした感じの邦題のインパクトは凄いですが、肝心の内容の方は久々のガチの駄作というか『箸にも棒にも引っかからないようなビックリするほどツマンない映画』という感じの作品でしたよ。
映画のストーリーそのものは『人食いザメによる被害の相次ぐ海域で、パーティのイベント会場をサメの群れが襲撃する』という、非常にオーソドックスな内容という感じ。
いかにも「ジョーズ」のオマージュっぽい展開のお話で、ストーリーそのものは可も不可も無いのですが、ストーリー以外の部分がとにかくお粗末すぎるのが困ったところ。
サメの映像は実写映像なのですが、恐らくこの作品のために撮られたとかじゃなくて『どこかのドキュメンタリーフィルムから拝借したと思われるサメの映像』を適当に垂れ流しているだけという感じ。
映像として画面に映るサメの種類もシーン毎にバラバラですし、大半のシーンはそもそも本編に関係ない記録映像の詰め合わせにしか見えないのは困ったところ。
襲撃シーンでは、襲われるや役者の人が『水の中に引き込まれるシーン』をセルフ水没で演出しているだけで、ほとんどの襲撃シーンではサメの背びれすら画面に映らないため迫力もクソもあったものじゃありません。
ストーリーに関しても『ジョーズのオマージュ的な展開』とは言ったものの、『ホテルの社長の息子の浮気エピソード』とか、サメと全く関係の無い話がちょこちょこと間に挟まって、その話が全く面白くないために物凄くテンポが悪くて観ていてとにかくダルいです。
一応、本作オリジナルの要素として『突然変異で進化したサメたちがチームとして連携して人間を襲う』みたいな設定があるのですが、その設定も作中で特に活かされている部分がなくて何のための設定なのか存在価値が良く分かりません。
更には、映像がショボくてお話がグテグテでなだけならともかく、なんか『音楽を流しながら風景やらを映しているだけ』のイメージビデオみたいなシーンが無駄に多くて、70分程度の映画なのにオープニングとエンディングの尺が10分以上あったりと、驚くほど冗長な作りなのはどうにかして欲しかった…
終盤のサメの撃退方法も何の面白味も無くて最後まで盛り上がる要素が全くないですし、ラストのオチも唐突過ぎて意味不明ですし、割と本気で何をやりたいのか良く分からない映画でしたよ…
総評としましては、『ビックリするほど退屈で見どころの無い人食いザメもの生物パニック映画』という感じの作品ですね。
純粋にツマんないだけでツッコミ要素やお馬鹿要素あまりなくてネタ映画としても弱く、そういう作品を求めている人にも不向きな内容ですので、普通にスルーしてしまって問題ない一本だと思います。
久々にこれは『本気で時間を無駄にしたな』と感じてしまうような作品でしたし、この映画を観るぐらいなら、世の中にはもっと良い意味で『くだらないサメ映画』が大量に存在するので、そちらをチェックした方が良いと思いますよ。