NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ムーンシャーク」(55点/モンスター)

■■■「ムーンシャーク」■■■
(55点/モンスター)


 冷戦時代、旧ソビエトは対米軍の兵器としてサメの遺伝子を人間に組み込んだ『ハイブリッドシャーク(サメ人間)』を開発していた。


 しかし開発中のサメ兵士たちが暴走、研究所員を次々と殺害して暴れ回るという事件が発生。
 研究者であるセルゲイ博士は、サメ兵士たちを発射直前のシャトルへと誘導し、自らを犠牲にして月へと追放してしまう。


 それから40年後。
 米国の宇宙開発チームは、月へとコロニーを建設するために資材や人員と共に月面へと向かうが、事故によって操作不能となったシャトルは月の裏側へと不時着。


 その場所で、月面で密かに生き延びていたサメ兵士たちの基地を発見するが…

 


 旧ソ連の開発した『サメ人間』が月面で密かに基地を作って生き延びており、地球侵攻のために米軍のシャトルを奪おうとする…というSFモンスターホラー映画。


 少し前にナチスの残党が月の裏側に基地を作って生き延びていた』っていう設定のアイアン・スカイって映画がありましたが、ひと言で言ってしまえば「アイアンスカイ」のソ連&サメ人間版みたいな感じのお話ですね。


 実際にパクリ映画…とまでは言わないまでも、インスパイアされて作られた作品なんだろうなという部分は多くて、大まかな設定やらプロットやらは「アイアン・スカイ」と殆ど同じという印象。

 ただ戦う相手が『サメ人間』になっているぶん、バカ度というかトンデモ度は高い作品になっている印象。


 月面の地中をサメのように泳ぎ回って襲い掛かってくるサメ人間たちはなかなかインパクトがありますし、サメ人間たちのデザインも凝っておりメジャーなホホジロザメだけでじゃくて、シュモクザメミツクリザメといった様々なバリエーションのサメ人間が登場するのも良い感じ。


 CGも意外とシッカリしていますしサメ人間の要素に関しては無駄に気合が入っている印象なのですがサメ人間に気合を入れ過ぎたのか他の部分がどうにも地味な作りなのは困りもの。


 サメ人間との戦いも、基本的には槍みたいなものを振り回して戦うだけでどうにも地味ですし、低予算でCGモンスターとの戦いをやってるせいか、絡みが薄くてアクションに派手さがありません。


 あと、設定がバカっぽい割には内容の方は意外とマトモ…というか全体的にハッチャケ具合が少なくて、いま一つ盛り上がりに欠ける内容なのも残念なところ。


 お馬鹿設定を活かすために、もっとブラックなネタとかを頭の悪そうなネタをいっぱい仕込んで欲しかったです。


 また、月面に何故か火山活動があったり、どう見ても大気が存在するような描かれ方をされていたりするのも気になるところ…


 バカ映画なので多少の科学考証を無視するのは良いのですが、そこまでいくと現代(というか近未来)を舞台にしてる筈なのに『ファンタジー世界の別の月なの?』みたいになってしまって流石にいかがなものかという感じ。


 あと割とどうでもいい事ですが、お話の途中で『サメ人間の頑丈な肌を貫ける唯一の武器』みたいな感じで特殊素材の槍が登場するのですが、その後のシーンで鉄パイプとかで普通にサメ人間を倒すシーンがあって『鈍器なら通用するんかい!!』とツッコミを入れたくなったのは自分だけ?(笑)


 まあでも、ラストの『続編を作る気まんまん』な感じのオチとかは嫌いじゃないですし、サメ人間の設定とか良い感じの部分も多かったので、それなりに楽しめる内容ではありましたよ。

 


 総評としましては、そこそこ観れるレベルの『トンデモ設定系のSFアクションホラー映画』って感じの作品ですね。


 『月の裏側にサメ人間が基地を作っている』というお馬鹿設定に惹かれる人(原題も「DARK SIDE OF MOON」ならぬ「SHARK SIDE OF MOON」だし(笑))や、ユニークなサメ人間の活躍を観てみたいという人であれば、普通にチェックしておいても損は無い一本ではないかと思います。


 ただ意外と地味な内容なので、アイアン・スカイ」ほどのお馬鹿ノリやら派手さを期待していると、ちょっと肩透かしを食らってしまうかもしれないので注意が必要かもしれませんよ…