NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ダーク・ハーヴェスト」(60点/オカルト:結構オススメ)

■■■「ダーク・ハーヴェスト」■■■
(60点/オカルト:結構オススメ)


 1960年代のとあるアメリカの田舎町。


 その町には、ハロウィンの夜にノコギリの歯とお菓子の心臓を持った『ソートゥース・ジャック』という怪物がトウモロコシ畑に出現し、深夜0時までに教会に着こうと歩き出して『ジャックが教会にたどり着くと町に破滅が訪れる』という奇妙な伝説があった。


 そして町の破滅を防ぐために、子供たちが団結して深夜の0時までに怪物を倒す『ソートゥース・ジャック狩り』という奇妙な儀式が行われていた。


 前年の儀式で怪物の殺害に成功して町の英雄となったジムの弟で不良少年であるリッチーは、兄への強いコンプレックスを克服するために翌年の『ソートゥース・ジャック狩り』へと参加する事となるが、怪物と戦ううちに謎の『儀式』の裏に隠された『恐るべき秘密』に気付く事となり…

 


 ハロウィンの夜に若者たちで団結して怪物を倒す『ソートゥース・ジャック狩り』という奇妙な儀式が行われる田舎町を舞台とした、サスペンス風味のオカルトホラー映画。


 特に話題にもならないままにAmazonプライムビデオに追加されていたのですが、B級ながらもMGM製作のかなりキチンとした内容の良作ですし、なんでDVD化とかされずに配信のみのタイトルになってしまったのか謎な感じの作品です。


 お話としてはこの時期に定番のいわゆるハロウィンを題材としたホラー映画で、『とある町でハロウィンの夜に、町の若者たちが参加して行われる「怪物狩り」の儀式に参加した主人公が、怪物と戦ううちに儀式に隠された「恐るべき秘密」に気付く事となる…』みたいな感じのストーリー。


 ノリとしてはオカルトというよりも『ダークファンタジー』っぽいテイストが強いかも?


 設定だけ聞いて、なんか『町ぐるみでヤラセの儀式を行ってる』みたいな感じのサスペンス映画なのかな…と思いつつ観ていたのですが、ガチに怪物が出現して大暴れしてくれるのは予想外の展開でなかなか楽しませてくれます。


 怪物は、いわゆるカボチャ頭の「パンプキンヘッド」の怪人なのですが、痩せ衰えたアンバランスな体形のクセに矢鱈とパワフルで、作品の雰囲気に反して予想以上の残虐ファイトで暴れ回ってくれます。


 序盤は、主人公を含むキャラの掘り下げやら世界観の説明みたいな部分に尺を割かれているのですが、中盤の『怪物狩り』が始ってからの展開はなかなかに派手で、『暴れ回る怪物』に加えて『熱狂状態に陥って町を破壊してまわる少年たち』の姿とかも描かれていたりと、色々とカオスで良い感じ。


 前年度のチャンピオンである『兄にコンプレックスを抱いた主人公』のキャラも良く掘り下げられていますし、『怪物に隠された秘密』は途中である程度は予想できるものの、全体的にどういう結末になるのかの先が展開の読めない構成で楽しませてくれます。


 ただ、『怪物の正体』にもうちょっとバックボーン的なものがあれば更に良かった気がしますが、そこまで描くと無駄に尺が長くなりそうな気もするので難しいところかなぁ…


 オチは好みの別れる部分かもしれませんが、なかなかパンチが効いてて良い感じの終わり方ですし、個人的にはなかなか好みの作品でしたよ。


 ちなみに、『こんな若者が死にまくる儀式を毎年のように行ってたら、そのうち町から若者が一人も居らんようになるだろ?』とかツッコミを入れたくなったのは自分だけですかね?(笑)

 


 総評としましては、やや低予算ながらも『なかなかに良く出来たサスペンス風味のオカルトホラー映画』って感じですね。


 ダークファンタジーっぽいテイストも含めてなかなかに良く出来た作品ですので、世界観やら設定やらが気になるようであれば観ておいて損は無いかもしれません。


 Amazonプライムの会員であれば無料で観れる作品ですので、サブスクの利用者の方は気になるようであればチェックしてみても良い一本ではないでしょうか。