NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「フリークスアウト」(45点/アクション)

■■■「フリークスアウト」■■■
(45点/アクション)


 第二次世界大戦下のイタリア。

 ユダヤ人の座長が率いるサーカス団の「メッツァ・ピオッタ」は、電気人間のマティルデ、虫使いのチェンチオ、多毛症で怪力のフルヴィオ、磁石人間のマリオらの5人は、普通の職業には就けない自分たちの能力を見世物にしつつ、各地を巡業しながら身を寄せ合って旅を続けていた。


 そんな最中、戦火の激しくなりつつあるイタリアに訪れたナチスの士官で予知能力者であるフランツは、彼ら4人こそがナチスを勝利に導くための切り札になると予知し、彼らを捕らえようと捜索を開始するが…

 


 サーカスの見世物として活動する4人の特殊能力を持ったミュータントたちが、ナチスに狙われた事によって想像を超えた戦いへと巻き込まれていく…という、超能力バトルものアクション映画。


 イタリア/ベルギー製のサイキックアクション映画で、設定だけ聞くとX-MEN」みたいな派手なアクション映画っぽい印象を受けますが、実際の中身の方はなんというか地味な印象の作品です。


 お話としては、第二次大戦下のイタリアを舞台にした『ナチス対ミュータントのサーカス団員』みたいな内容ではあるのですが、とにかく話のテンポが非常に悪いのが気になるところ。


 まず、いかにも超能力バトルものっぽい設定の割には主人公たちとナチスが殆ど戦わないんですよ。


 一応、ラスト付近で少しだけバトル展開はあるものの、殆どのシーンは仲間同士で内輪もめしてたり、自分で戦いを挑む訳でも無くナチス反抗勢力のゲリラ(パルチザン)と合流してみたりと、ダラダラしたシーンが物凄く長いです。


 そもそもミュータントのうち3人は能力も地味ですし、むしろナチスと戦うよりドイツ側に取り入ろうとしますし(まあイタリアとドイツは同盟国なので不自然ではない)、唯一の派手な能力を持った『電気使い』のヒロインは、過去のトラウマのせいで能力を封印していて戦いを避けようとするしで、ミュータント達が主役なのに積極的に特殊能力を使うようなシーンが殆ど無くて、どうにもお話が盛り上がって来ません。


 そんなダラダラとした展開の作品なのに無駄に尺が140分もあるので、そこまで重要でも無いのに妙に尺の長いシーンが多くて全体的に冗長なんですよね。


 また、主人公たちの4人もいまひとつキャラとしての魅力が薄く、敵役のミュータントもあんまり魅力を感じられないので、どうにもお話に入り込み難いのも辛いところです。


 終盤では、それなりのバトルシーンもあって盛り上がってくるのですが、そこまでが長すぎるうえにバトルシーンも半分ぐらいがゲリラの人たちが勝手に戦ってたりするだけだったりするので、なんか思ってたのと違うなあというのが正直な感想。

 どうにも拍子抜け感の拭えない作品でしたよ…

 


 総評としましては、『いまひとつ冗長で盛り上がりに欠ける超能力バトルものアクション映画』って感じですね。


 設定だけ見ると割と良さげな感じなのですが、設定があまり面白さに繋がっていなくて、どうにも物足りなさを感じる作品でした。


 とはいえ冗長な点を除けばそこまで悪い作品ではないので、気になるのであれば観るのを止める事もないですが、まあ『お好みで』という感じの一本ですね。