NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「メガ・シャークVSジャイアント・オクトパス」(45点/モンスター)

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■■■「メガ・シャークVSジャイアント・オクトパス」■■■
(45点/モンスター)

 アラスカ沖のチュトコ海で極秘裏に行われた軍の新型の航空ミサイルの実験の影響で、大規模な万年氷の崩落が発生する。

 偶然にも近くの海域で潜水艇でクジラの観察を行っていた海洋生物学者のエマは、崩落した氷の中から何か巨大な物体が出現するのを目撃。
 その数日後に、カリフォルニア州の海岸に打ち上げられたクジラの死体に刺さった、恐ろしく巨大な『生物の歯』らしきものを採取する。

 彼女は恩師であるサンダース博士にこの『生物の歯』の分析を依頼したところ、歯は150万年前に絶滅したと言われる巨大なサメ「メガロドン」のものである事が判明。

 彼女達は、このところ立て続けに発生している海難事故の原因が、この復活したメガロドンによるものでは無いかと考え調査を開始するが、そんな矢先に日本の生物学者であるシマダから『奇妙な現象の調査に協力して欲しい』という依頼を受ける。

 すわメガロドンに関係するものかと思いきや、その内容とは日本の石油採掘基地を破壊した、恐ろしく『巨大なタコ』に関するものだった…


 崩壊した氷河の中から出現した「巨大ザメ」と「巨大タコ」と人類が死闘を繰り広げるという、モンスターパニック映画。

 …と言うか『モンスター映画』というよりも、コレはもう完全な『怪獣映画』ですね。

 『軍の実験で氷河の中から巨大生物が目を覚ます』&『蘇った2匹の巨大生物の対決』というコテコテなプロットに始まり、とにかく怪獣映画のお約束が目白押しな感じです。

 『メガロドン』と『巨大ダコ』も全長100mは超えてそうな、ありえないような特大サイズですし、怪獣映画が大好きなスタッフが『自分たちでも怪獣映画を撮ってみたかった』って感じで作った内容なのが良く分かります。

 全編に日本の怪獣映画に対するオマージュっぽいものが込められており、巨大ザメが旅客機にジャンプして噛み付いたり、触手で戦闘機を撃墜したり、駆逐艦を撃沈したり、ランドマーク(ゴールデンゲートブリッジ)を破壊してみたりと、『怪獣映画的なお約束』が満載。

 怪獣映画ファンであれば、かなりニヤリと出来る要素が散りばめられた作品だと言えます。

 ただ、惜しむらくは…『作品の方向性』や『撮ろうとしてる内容』は嫌と言うほど良く分かるのですが、いかんせん予算と実力が伴わなかったんだなぁ…というのが『痛いほどに良く分かってしまう』のが辛いところ。

 モンスターの襲撃シーンなどで『CGを作る潤沢な予算』が無かったせいか、実際の戦艦の映像にCGを重ねて『対決シーン』とかを撮ってたりする訳ですが、流石にちょっと『合成に無理がありすぎ』ですし、セットとかエフェクトとかも物凄く地味で映像が全体的に『安っぽさに溢れる感じ』になってしまっているのは、致し方ないとは思いつつも『もうちょっと何とかならなかったかなぁ…』ってのが正直なところです。

 お話的には割と盛り上がる展開の部分もあるので、この辺にもうちょっと予算をかけてシッカリと作られていたら、結構面白い作品になっていたんじゃないかと思うので、そういう意味では残念ですね。

 あと、オチに関しても『『巨大ザメ』と『巨大ダコ』が死闘して相打ちになりました』という展開なのは、お約束って言えばお約束なんだけど、『何が何だか良く分からないウチに勝負が終わってた』みたいな感じだったので、もうちょっとシッカリと対決シーンと決着を描いて欲しかったかなぁ?


 総評としましては、総じて完成度は高く無い作品ながらも、アメリカ製の正統派の怪獣映画』というジャンルとしては、割と貴重なタイプの作品ですね。

 全体的なテンポの良さや『日本の怪獣映画に対するオマージュ』やらといった『観るべき部分』も無くはないので、怪獣映画が大好きな人ならばチェックしておいても損は無いタイトルでしょう。

 ただ、そうじゃない人が見たら、単に『特撮がショボいだけの荒唐無稽な作品』になってしまうので、『そういう方向に興味が無い人』はスルーしてしまった方が良い作品かもしれませんね。