■■■「ストレンジャーズ/戦慄の訪問者」■■■
(45点/サスペンス)
恋人同士であるクリスティとジェームズは、深夜まで行われていた友人の結構披露宴を抜け出して別荘へと戻ったが、披露宴会場でジェームズがクリスティにプロポーズに失敗したせいで、2人の間には非常に気まずい雰囲気が漂っていた。
別荘で会話もなく過ごす2人だったが、そんな彼らの元に午前4時に何者かの訪問してくる。
近所の住人が道を間違って敷地内に迷い込んできただけだと考えて玄関先で追い返した彼らだったが、謎の訪問者は執拗に彼らの敷地内への訪問を繰り返し、遂には邸宅内に侵入されているのでは無いかと感じたクリスティーナは、謎の訪問者の影に怯えるようになっていくのだった…
アメリカで実際に起こった未解決事件を題材とした、シチュエーションスリラー風のサスペンス映画。
実話をベースと言いながら『未解決事件を題材』って『どこまでが実話やねん?』って気もしますが、『もし実際にこんな事件があったら怖いよね』って雰囲気は感じる事の出来るようなお話ですね。
主人公達を執拗に付け回す『謎の訪問者』の雰囲気が不気味で、目的や理由が一切不明の集団に付け狙われる事による緊張感が、なかなか良い味を出しています。
また、訪問者達の『変なお面を被った異様な姿』も得体の知れない怖さを良く表現していると言えるでしょう。
そんな感じで、確かに作品の雰囲気は非常に良いのですが…何と言いますか、本作ってホントに『ソレだけの映画』なんですよね。
ストーリーらしいストーリーは存在せずに、本編の作品中ずっと男女のカップルが『何者かの存在に怯えて逃げ回る』という、ひたすらソレだけのお話です。
元々が現実の事件がベースなだけに、特に意外性のあるような捻った展開も無く、オチらしいオチも存在せずに淡々と『主人公達の怯える様子』を見ながら時間だけが進んでいくという、何と言うか『雰囲気映画』ですね。
いやまあ、この『不気味な雰囲気』は非常に良くて、良くそれだけの内容で映画1本分の尺を持たせたなぁ…とは思うのですが、元ネタが『未解決事件』という事は『マトモなオチが無い事が最初から確約されてる』みたいな訳で、展開がある程度読めてしまうために中盤からはちょっと退屈さを感じてしまいました。
あと、序盤の『気まずい雰囲気』を描くだけで、尺の3分の1ぐらい消費してしまう展開もちょっと冗長だったかなぁ?
ちなみに、パッケージには『北米で大ヒットし、続編の製作が決定』とかって書かれてましたが、こんな中身の無い話にどうやって続編を作るって言うんでしょうか?
本気で疑問なのですが…
総評としましては、『雰囲気は良い』んですが『サスペンスとしての内容は微妙』という、何とも評価し辛い感じの作品ですなぁ。
何と言いますか『不気味な雰囲気』を楽しみたいならば、そこそこ良く出来ていると思うのですが、ホントにソレだけで終わってしまって居るので、マトモなストーリー展開とかを求めると『ちょっと辛い作品』かも…
雰囲気重視のシチュエーションスリラーとかが好きであれば、そこそこ楽しめる内容だと思いますので、『そういうノリが好きならばお好みで…』って感じの1本でしょうか?