■■■「テリファー 終わらない惨劇」■■■
(55点/スプラッター)
9人もの犠牲者を出したマイルズ・カウンティーの虐殺事件から1年後。
連続殺人鬼である『アート・ザ・クラウン』は死亡したと思われていたが、死体安置所で息を吹き返して検死官を殺害したあとに姿を消し、いまもどこかで生きているのではないかと噂されていた。
そんなある日、ハロウィンの仮装の準備に追われるシエナは、『アート・ザ・クラウン』の登場する不気味な夢を見る。
夢の異様な雰囲気に不安を感じていたところ、彼女の弟のジョナサンが学校で『アート・ザ・クラウン』らしき人物を目撃したという驚くべき話を聞かされたうえに、自殺した彼女の父親が『アート・ザ・クラウン』の復活を予言していたのではないかと思われるメモを発見し…
情け無用の殺人ピエロ『アート・ザ・クラウン』がひたすらに人々を襲う様子を描いた、スプラッタホラー映画。
2016年に製作された「テリファー」の続編に当たる作品で、設定的には前作の1年後のお話となっています。
■「テリファー」(50点/スラッシャー)
https://uei-nanigashi.hatenablog.com/entry/2020/11/15/023846
前作は80年代のスプラッタホラー映画をリスペクトして、ストーリーらしいストーリーの無い『ひたすら残虐描写を繰り広げるだけの低予算ゴア系映画』って感じの作品でしたが…
お話のノリに関しては前作と同じような雰囲気で、あいかわらず『残虐描写のための残虐映画』って感じの内容です。
続編だけあって全体的にパワーアップした内容となっており、特に残虐シーンのテンコ盛り具合はなかなか良い感じ。
前作以上に『そんなアホな』ってレベルの残虐プレイと肉体損壊っぷりの激しい作品なのですが、前作と同様にリアリティとか微塵も出すつもりの無いような安っぽい血糊と臓物のバーゲンセールっぷりで、もうなんかエグすぎて逆に笑えるレベルになってしまっています。
殺人鬼の『なかなかトドメを刺さずに執拗にいたぶり続ける』という、異常なまでの残虐っぷりも良い味を出していますし、前作から通して『殺人鬼としてのキャラが非常に良く立っている』のは良い感じですね。
その辺の表現やキャラの描き方も含めて、製作者の『80年代の残虐系スプラッタホラー映画を現代に復活させよう』というリスペクト精神が強く感じられます。
とまあ、ここまでだと『80年代スプラッタホラー映画リスペクト作品』として良い感じっぽいのですが、本作の一番の欠点としては『とにかく無駄に尺が長い』ということ…
スプラッタ映画のクセに何故か尺が140分弱もあって、低予算ホラー映画2本分ぐらいのボリュームになってしまっているんですよ。
尺が長い分、『主人公の家庭の事情やらキャラの掘り下げ』やら『自殺した主人公の父親と殺人鬼の関わり』みたいなのが、割と深く描き込まれていたりするのですが、お話が脇道に反れるシーンが多いせいで見せ場から見せ場までの間が長くてお話のテンポが妙に悪くなっているんですよね。
しかも困った事に、上記の『いかにも何か関連のありそうな伏線』が実は特にコレといった謎解きがある訳でも無くて、殆どが無駄設定になってしまっているのは困りもの。
特に終盤からラストにかけての展開は、あまりにも電波な内容すぎて何が言いたいのかサッパリ分からないうえに無駄に尺が長くて、観ていてちょっと頭がおかしくなりそうになってしまいましたよ。
もっと普通のストーリーの『順当なパワーアップ作品』にする事は出来んかったのかと…
あと、無駄に尺が長い割には殺人鬼の犠牲者は意外と少ないので、『もっとバンバン殺しまくって欲しかった』というのも残念なところかなあ?
総評としましては、良い意味でも悪い意味でも80年代風の『安っぽい演出の血糊ドバドバ系スプラッタホラー映画』っぽい作品って感じですね。
その手のノリが好きな人であれば、強くオススメとはいかないまでも『結構オススメ出来る作品』なのですが、作り物感まる出しとはいえ『グロ描写』や『痛そうな描写』は満載ですので、その手の描写が苦手な人は絶対に観てはいけない作品です。
あと、割とガチで意味が分からない部分の多い映画なので、『理不尽すぎてスッキリしない映画』が苦手な人もちょっと注意が必要かもしれませんよ…