■■■「CUB/カブ -戦慄のサマーキャンプ-」■■■
(50点/スラッシャー)
カブスカウトに所属する少年サムは、カブ隊のメンバーと共に森の奥のキャンプ地でキャンプを行う事になるが、その場所は『狼人間が出現する』という怪事件が相次いでいるというウワサのある奇妙な場所だった。
キャンプでの作業中に、奇妙な木の仮面を被った少年を目撃した彼は、その少年が狼人間に変身するというウワサの『カイ』という少年ではないかと不安を感じるが、それ以降、彼らの周りで奇妙な現象が相次いで起こるようになっていく。
偶然にもカイの隠れ家らしき場所を発見したサムは、仲間たちには秘密でカイとコミュニケーションを取れないかと試みるが…
森の奥地にキャンプに訪れたカブスカウトの少年たちが、謎の仮面の少年と正体不明の殺人鬼に襲われる…という、スラッシャーホラー映画。
どうやら3~4年ぐらいまえにビデオ化された作品のようですが、未見だったのと、最近になってAmazonプライムに追加されてサブスクで見れるようになったようなので、せっかくだから鑑賞してみましたよ。
プロットとしては『キャンプ地で引率の青年と少年たちが謎の殺人鬼に襲われる』という割とオーソドックスなスラッシャー映画なのですが、ベルギー製の作品という事もあってか、ちょっと独特のテイストがあり残虐描写も強めの内容です。
序盤は割とサクサクとテンポ良くお話が進みますし、深夜の森とかの非常に雰囲気も良く、また殺人鬼に加えて『正体不明の野生児のような仮面の少年』が登場したりと、殺人鬼サイドにちょっと凝ったキャラ付けがされていてなかなかに良い感じ。
また殺人鬼の『ブービートラップを活用した犠牲者の殺し方』なんかも凝ってて、殺害シーンのバリエーションが豊富で楽しませてくれます。
設定に関しても『殺人鬼』と『仮面の少年』の関係性等といった謎めいた部分が多くて、導入部分は非常に面白いのですが…
中盤辺りからちょっとダラダラとした展開が多くなり、テンポが悪くなってしまうのは困りもの。
『仮面の少年』と主人公の交流みたいなものが描かれたり、主人公の周りの同級生やら引率の大人の嫌な奴っぷりが濃いめに描かれたりするのですが、正直『そんな部分を丁寧に掘り下げられてもなあ…』って要素が多くて、見ていてちょっと退屈です。
殺人鬼が、せっかく『凝った殺し方』をする割には出番が意外と少ないですし、観ていてどうにも物足りなさを感じてしまいましたよ。
終盤は割と派手な展開になるものの、結局『仮面の少年』と殺人鬼の正体も結局良く分からないですし、『主人公の過去』やら『仮面の少年』との交流みたいなのも、尺を割いて掘り下げた割には説明不足で中途半端な印象。
ぶっちゃけ、どうせ中途半端になるぐらいならその辺はもうちょっと尺を削って、もっと殺人鬼の暴れ回るシーンに多くの尺を割いて欲しかったです。
ラストもちょっとアッサリしすぎですし、どうにも食い足りない印象を受けてしまうような映画でしたよ…
総評としましては、悪くはないものの『ちょっと物足りなさを感じてしまうようなスラッシャーホラー映画』ですね。
もうちょっと『派手な要素』が強ければ佳作ホラーになったんじゃないかと思うので、勿体なさを感じてしまう作品でした。
まあAmazonプライムに入っていれば無料で観れる作品ですし、その手の映画が好きでプライムのサービスが利用できる方であれば、チェックしてみても良いレベルの一本かもしれませんよ。