NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ヘルアトラクション-絶叫館-」(55点/スラッシャー)

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■■■「ヘルアトラクション-絶叫館-」■■■
(55点/スラッシャー)

 ケンタッキー州の片田舎にキャンプに訪れたリンジーらの4人の男女は、キャンプ場に向かう途中に立ち寄ったガソリンスタンドで、店主からこの近所に『幽霊屋敷の人気アトラクション』がある事を知らされる。

 急ぐ旅でもなかった事から幽霊屋敷に立ち寄ってみることとした彼らだったが、幽霊屋敷は大人気で入場まで3時間近く待たされることが判明。
 予想外の事態に困惑するものの、たまたま声をかけられた地元の親父から『スピードパスを使えば行列の先頭に行ける』と言われてすぐに入場できることとなる。

 幽霊屋敷の異常にリアルな迫力に不気味なものを感じつつもアトラクションを楽しむ彼らだったが、幽霊屋敷のなかで突如として現れた謎の男たちによって拉致され、牢屋のような場所に監禁されてしまい…



 観客を拉致監禁して実際に殺害するシーンを見世物にするという『殺人幽霊屋敷』の恐怖を描いた、スラッシャーホラー映画。

 『幽霊屋敷が実は本当の殺人鬼の巣窟でした』という割とありがちな感じの設定のスラッシャーホラーですが、中身の方もなんというか平均点レベルで『物凄く可も不可もないスラッシャーホラー映画』って感じの作品です。

 お話としては、『とある2組のカップルが田舎町に旅行に行った際に、地元で人気の幽霊屋敷のアトラクションに行くんだけど、実はその場所は本当に観客を監禁して殺害現場を見世物とする殺人アトラクションで、主人公たちは標的として捕らえられてしまい…』みたいな感じの展開。

 細かい説明やら無駄なドラマ的な要素なんかはほとんど無くて、必要最低限の状況説明だけでお話がサクサクと進んでいくのは良いですね。

 主人公たちが幽霊屋敷に訪れたと思ったら割とスグに拉致されて、これまたスグに殺人ショーに駆り出される…みたいな感じで、全体的に非常にテンポが良いです。

 必要最低限ながらも主人公たちや殺人鬼のキャラクターもそれなりに描かれていますし、残虐シーンもとりあえずのツボは押さえてある感じで、物凄く無駄のない構成といった印象。

 ただ全てにおいて無駄がなさ過ぎて、全体的に物足りない感じになってしまっているのは困りもの。

 序盤の幽霊屋敷を描いたシーンも個性に乏しくて面白味がないですし、残虐シーンもツボは押さえているものの、矢鱈とぶつ切りでサラっと流しすぎてるせいでいま一つ盛り上がりに欠けます。

 豚マスクの殺人鬼も見せ場が少ないせいでちょっと影が薄いですし、そもそも全体の尺が75分程度しかないせいもあって、全てのシーンが尺不足という感じでどうにも物足りないんですよね。

 ヒロインが殺人鬼に追いかけられて逃げ回るシーンなんか、なかなかスピード感と迫力があって良い感じですし、『本当の殺人現場を何も知らない観客たちに見せる』って設定もなかなか面白いですし、悪くない部分も多いので、全体的に『もう少しパンチが効いてればなぁ』と感じてしまう映画でしたよ。


 総評としましては、『全体的に凡庸で物足りなさが目に付いてしまうスラッシャーホラー映画』って感じの作品ですね。

 全体的に悪くはない出来なので、気になるのであれば観るのを止める事も無いレベルの完成度ではあると思うのですが、本作ならではの推しとなるような部分もあまり無いので、敢えてオススメするにはちょっと弱い印象。

 ネット配信サービスとかでサクッと観るぶんには普通に楽しめる程度の内容ではあると思うので、急がなけばでそういうのを待っても良いかもしれません。