■■■「ラバーボーイ」■■■
(60点/スラッシャー)
(60点/スラッシャー)
女子大生のは父親を亡くした事から学費を稼ぐために、ゲイリーと名乗る怪しげな実業家の経営する『ガールハウス』というポルノ配信サイトで働く事となる。
そのサイトは、キャストたちと生でチャット出来たりヌード映像を配信する以外に、屋敷のあちことに設置された監視カメラによって『彼女たちの生活の様子を24時間配信する』という、新しい試みを取り入れたサイトだった。
サイト出演のために、キャストたちの暮らす厳重なセキュリティで守られた秘密の屋敷で暮らす事になった彼女は、サイトで自らのヌードを披露し新人として好評を博するが、彼女のチャットに現れた『ラバーボーイ』と名乗る常連客ろプライベートチャットを行っていたところ、彼はハッキング不可能な筈のサイトに侵入し自分の顔写真を送り付けてくる。
しかし、その翌日、自分の送った顔写真がキャストたちに笑い物にされていると知った彼は、彼女たちの暮らす秘密の屋敷へと侵入。
ライブ配信の映像に乗せて、女性たちの恐るべき殺戮ショーを繰り広げていくのだった…
24時間のライブ映像を配信するポルノチャットサイトに殺人鬼が侵入して殺人現場を全世界に向けて配信するという、スラッシャーホラー映画。
『ポルノ配信サイトの撮影現場に殺人鬼が侵入して殺人現場をリアルタイム配信する』という割とありがちな感じの設定のお話なのですが、意外にもコレが思った以上にシッカリと作られたB級スラッシャーホラーという感じの作品でしたよ。
お話としては『ポルノ配信サイトで、常連客が承認欲求のためにサイトをハッキングしてキャストに自分の写真を送り付けるんだけど、裏で自分の事が馬鹿にされていると知った事から逆恨みをして、リアルタイムに映像を配信しながらキャストを皆殺しにしようとする』みたいな感じのストーリー。
序盤は、矢鱈とキモい殺人鬼の自己紹介的なシーンが長々と続くお陰でやや辟易とする感じの展開で、加えて『ポルノサイト』が舞台の割にはお色気シーンがいま一つ盛り上がらないという構成に不安を抱きながら鑑賞したのですが…
殺人鬼が暴れだす中盤以降の展開が、物凄くキチンとツボを押さえたスラッシャーホラーという感じになっており、観ていてシッカリと楽しめるレベルに仕上がっているのは好印象。
『ラバーマスクを被った殺人鬼』のビジュアル的な不気味さも良い味を出していますし、犠牲者の殺し方のバリエーションも意外と豊富で、観客を飽きさせないように頑張っている雰囲気が感じられます。
リアルタイムの殺人現場の映像を目撃して、なんとかして主人公を助けようとする友人たちという設定も面白く、単純なスラッシャー映画ではなくサスペンス的な要素も加わってスピード感がある感じに仕上がっているのも良い感じ。
ラストの主人公と殺人鬼の対決シーンも熱いですし、殺人現場の配信映像を見ている『観客の反応』なんかも、ちょっとブラックで良い味を出しています。
また、『ポルノ配信サイトのリアルタイム映像』という設定ながらも、無暗にモキュメンタリー的な体裁にせずに普通にスラッシャーホラー映画として作った辺りも英断という感じです。
ただ先述もしたとおり、殺人鬼が暴れはじめるまでの序盤はやや退屈な感じで、『主人公と幼馴染のロマンス』的な要素を取り入れたりして、退屈させないように頑張ってはいるのですが、それでもちょっとテンポが悪いかも?
あとポルノサイトが舞台で脇役がヌードを披露してくれる割には、主人公がおっぱいすら見せてくれないのは、ちょっと肩透かしな感じでした。(笑)
(まあ、ヒロインの処女性を出すために、敢えて見せなかったという感じか、もしくはその他の『大人の事情』(事務所NGとか)があったのかもしれませんが…)
総評としましては、思った以上にシッカリと作られた『そこそこ楽しめるB級スラッシャーホラー映画』という感じですね。
低予算故の安っぽさを感じる部分は多いですが、見せ方や構成が上手くて退屈させない作りになっているので、低予算系のB級ホラーとかが好きな人であれば普通に楽しめる作品になっていると思います。
強く推すほどの要素は無いものの、安定して楽しめるレベルには仕上がっていると思いますので、その手のジャンルが好きで気になっているようであれば、チェックしてみても良いかもしれませんよ。