NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ハロウィン・キラー!」(60点/サスペンス)

■■■「ハロウィン・キラー!」■■■
(60点/サスペンス)


 アメリカの郊外の街バーノンには、1980年代に不気味なオモチャのゴムマスクを被って16歳の少女3人を惨殺し、そのまま姿をくらませた連続殺人鬼『スイート16キラー』の伝説が語り継がれていた。


 そして事件から35年後の現代。
 ハロウィンの夜に『スイート16キラー』は突如として再び姿を現し、当時の事件の生き残りであるパムを殺害してしまう。


 パムの娘で17歳のジェイミーは、母親を殺害した謎の殺人鬼『スイート16キラー』の正体を探るべく調査を開始するが、調査中に殺人鬼の襲撃を受け、逃げる途中に友人で天才少女であるアメリアの製作した『試作品のタイムマシン』の暴走により、『1987年の最初の殺人事件の起こった日』へとタイムスリップさせられてしまい…

 


 母親を殺した連続殺人鬼の謎を追う少女が、35年前の『最初の殺人のあった日』にタイムスリップして事件を未然に食い止めようと奮闘する…という、SF風味のサスペンススリラー映画。


 Amazonプライムのオリジナル作品なのですが、SF的なプロットやらゴムマスクの殺人鬼やらの設定、作品の雰囲気やらも含めて、「ハッピー・デス・デイ」の影響を受けている印象のあるフォロワー的な作品ですね。


 ただフォロワーといっても、製作しているのが「ハッピー・デス・デイ」と同じブラムハウスによる新作なので、パクリというよりは『同じ会社の二匹目のドジョウを狙った新作』という感じなのかな?


 そしてブラムハウス製作だけあって、なかなかにシッカリと作られた普通に面白い作品に仕上がっています。


 お話としては、『36年ぶりに姿を現した謎の連続殺人鬼に母親を殺された女子高生が、過去の「最初の事件の起こる当日」にタイムスリップして犯人を食い止めて母親を助けようとする』みたいな感じのストーリー。


 最近流行りのタイムループものではないですが、『過去に戻って事件を食い止めようとする』というプロットは、SFサスペンスでは割と定番なプロットという印象。


 過去と現在で並行する形でお話が進んでいくのですが、過去と現在にそれぞれに別々の『人間関係』があって、時間をまたいだ『人間関係』の秘密を探りつつ真犯人を探していくという展開は、なかなか凝った構成で面白いです。


 また主人公が過去で取った行動が原因で『未来の出来事が少しづつ改編されていく』という設定も、先が読めない作りになっていて良い感じ。


 お話のテンポも非常に良いですし、『80年代と現代のジェネレーションギャップ』的なネタも、なかなか皮肉が効いていて笑わせてくれます。


 ただ上記の設定を読めば分かるかもしれませんが、過去と現在で並行して進んでいく感じの謎解きの設定がどうにも難解なんですよ。


 『歴史の改編』もちょっと分かり辛いですし、エンディングの『オチ』の部分のネタとかは、ゴチャゴチャしすぎて良く分かりませんでしたよ…


 『80年代と現代のジェネレーションギャップ』に関しても、人種・性差別やらのコンプライアンスのネタがやたらとしつこく出てくるのは気になるところ…


 あと真犯人もちょっと唐突で、いまひとつスッキリしない印象があるのは気になるところかなぁ。


 それと、ヒロインの友達がいくら天才少女だからといって『タイムマシンを学園祭の展示で作る』って設定は流石に無理があるだろ…とツッコミを入れたくなったのは自分だけですかね?(笑)(そんなDIY感覚で作れるものなのか?)

 


 総評としましては、『そこそこ良く出来たSFサスペンススリラー映画』って感じの作品ですね。


 プラムハウス製作だけあって良く出来ていますし、凝った設定のタイムスリップ系サスペンスとかが好きであれば、なかなかに楽しめる作品だと思います。


 Amazonプライムの会員であれば無料で観れる作品ですので、会員の方で気になるようであればチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。