■■■「トランス・フューチャー」■■■
(50点/サスペンス)
タイムトラベルを研究する物理学者のダニエルは、ある日、ビルの屋上で謎の男に襲撃を受ける。
しかし、意識が朦朧とし殺されると思った瞬間に彼は解放され、男は「今度は、もっと急げ」という奇妙な言葉を残してビルから飛び降り、そのまま姿を消してしまう。
事件によって恋人のマリアを失った彼は、全てに絶望し自殺しようとするが、そんな矢先に警察から数十年前から『同じような手口の未解決の殺人事件が何十件も起こっている』という驚くべき事実知らされ、更にはその事件のうち一件の犠牲者が自分の父親である事を知る。
事件に尋常ならざる秘密があると感じた彼は、研究中だったタイムトラベル装置を完成させ、犯人を探し出して恋人を救うために過去へとタイムトラベルを行うが…
事件で恋人を失った科学者が、謎の犯人を突き止め事件を阻止するためにタイムマシンで過去にタイムトラベルを行う…という、ブラジル製のSFサスペンス映画。
「バタフライエフェクト」やら「シュタインズ:ゲート」辺りが流行ってから、ボチボチと作られている『タイムループ』を題材としたSFサスペンス映画の一本ですね。
他のタイムループものの作品と同様に『事件を防ぐために過去にトラベルする』みたいな感じの展開なのですが、『主人公が科学者』という設定のSF作品らしくやや設定が難解な印象。
お話としては『謎解き』が中心のミステリー要素の強い内容となっており、『主人公を殺そうとした謎の男の正体は何者なのか?』とか『過去から繰り返される連続殺人事件に隠された秘密とは?』みたいな辺りの謎を追っていくのがメインの展開という感じ。
お話が進むごとに、『過去にあった事件』や作中の『謎のシーン』が徐々に解明されていくという流れは定番ながらもなかなか面白く、この辺りはタイムループものとして良く出来ています。
人生のやり直しをするいわゆる『タイムリープもの』とは違って、主人公が過去に遡った際に『もう一人の自分』が別に存在していて、だんだんお話が複雑になっていくという捻りの効いたギミックも『なかなか凝った作りだな』という印象。
ただ、捻りの効いた部分が映画としての面白さに繋がっているかと言われると微妙なところで、単に内容にグテグテ感があってややこしくなっているだけで作品としての面白さにいま一つ繋がってないんですよね…
また、主人公がタイムマシンを完成させてお話が核心に触れるようになるまでの展開が長めなのも微妙かなぁ?
あまり内容に触れるとネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、『主人公が過去に飛んで事件に関わるまで』も妙に長くて、全体的に展開がダラダラしてる感じで、全体的に冗長感が強めなのも辛いところ。
ラストのオチも『そんなんでいいんか?』みたいなスッキリしない終わり方ですし、何か全体的にイマイチ感の残る作品でしたよ…
総評としましては、どうにも『微妙な印象のSFサスペンス映画』というのが正直なところ。
『意外性を持たせたかった』のであろうと思われるストーリーうや描きたい方向性は分かるんだけど、個人的にはいま一つ自分の好みにはあわない感じの作品でした。
まあでも作品としての完成度は悪くないですし、タイムループものとかのSFサスペンス系の映画が好きであれば、チェックしてみてもよい一本かもしれませんよ。