NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「グアイウ 地下鉄の怪物」(50点/モンスター)

■■■「グアイウ 地下鉄の怪物」■■■
(50点/モンスター)


 交通事故で夫を亡くしたシングルマザーのイー・リンは、仕事帰りに深夜の地下鉄で幼い息子のルーカスとともに帰路についていたところ、自動運転の地下鉄が暴走するという事故が発生。


 地下鉄は建設途中で放棄されて廃墟と化した路線へと突入し、その場所で停止してしまう。


 混乱しつつもなんとか救助を待とうとする乗客たちだったが、列車の外に出た乗客の一人が謎の生物に襲撃され目の前で殺されてしまい、彼らはその場所が『トカゲのような姿をした正体不明の巨大生物』の住処と化している事を知るのだった…

 


 建設途中で放棄されて廃墟と化した地下鉄の路線に迷い込んだ人々が正体不明の巨大生物に襲われる…という、モンスターパニック映画。


 最近、妙に大量に作られている中国製のモンスター映画の一つで、なんとなくグエムル 漢江の怪物」を意識したっぽい邦題が付けられていますが、特に関連性とか共通点とかは無いようで、なんとなく『言葉の響きだけで似たようなタイトルを付けてみた』って感じなのかなぁ…という印象。
 (まあ、四つ足の巨大トカゲっぽい怪物が出てくるって部分は、一応の共通点ではありますけど…)


 お話としては『地下鉄の暴走によって迷い込んだ廃墟と化したエリアは、実は怪物の住処になっていました』というホントにそれだけの内容で、アメリカとかのモンスター映画のプロットとかで良くありそうなオーソドックスな展開です。


 『身勝手な乗客』やら『事件を隠蔽しようとする企業』のせいで現場が混乱を極めていく…みたいな感じのお約束のパターンではあるのですが、乗客の一人が企業の救助チームの幹部の娘だったりして、その辺の設定で人間ドラマを絡めてストーリーに厚みを出そうとしているのは悪くない感じ。


 怪物は、体長3~4mでちょっとエイリアンっぽい顔をしたヨロイトカゲみたいな外見で、ビジュアル的には割とカッコ良くてなかなか悪くない印象。


 登場までの出し惜しみもあんまりなくて、作中で怪物の姿がシッカリと拝めるのは良い感じです。
 でもせっかく良い感じのデザインの怪物なのに、出番があんまり多くなくて見せ場となるシーンが少な目なのは残念なところ。


 ただ見た目は物凄いゴツそうで狂暴そうな怪物なのに、意外と打たれ弱くて普通にタックルやら蹴りやらでひるまされてしまうのは、なんかちょっと情けなくて笑ってしまいます。


 また怪物のデザインは悪くないものの、肝心の映画の中身の方はイマイチなんですよね…


 どうにもテンポの悪い感じの作りで、怪物の登場する見せ場も少ないせいでダラダラしたシーンが多いんですよね。


 主人公たちのキャラをシッカリと掘り下げている割には、作中でその設定が活かされるようなシーンも殆ど無いですし、無駄なシーンばかりが多いせいて映画の尺が120分程度もあるため、見ていてどうにも冗長な印象が拭えません。
 (というか『少年と巨大トカゲの過去エピソード』とか、たいして効果的に使われてる訳でも無いので無理に必要なかっただろ…)


 ラストも矢鱈とアッサリしててなんかスッキリしない終わり方ですし、どうにも見どころに欠ける作品でしたよ。

 


 総評としましては、いま一つ物足りなさの残る『微妙な出来のモンスターパニック映画』って感じですね。


 巨大トカゲ系のモンスターのデザインは良いですし、特撮のレベルもまあまあ高いので、もうちょっとモンスターをシッカリと暴れさせて魅力的に描いてくれてればなぁ…という印象。


 まあ物足りなくて冗長ながらもそこまで酷い出来では無いですので、予告でモンスターデザインとかを見て気になっているのであれば、試しにチェックしてみても良いかもしれませんよ…