■■■「ショー・ミー・ザ・ゴースト」■■■
(55点/サスペンス)
20年来の大親友のホドゥとイェジは、就職も上手く行かず株で失敗して持参金も無くしてしまい、二人して途方にくれていた。
そんな矢先に運良く格安の家具付きの賃貸住宅を契約したホドゥは、イェジと共にルームシェアでその家で暮らす事となる。
しかし彼らが生活を始めてから、その家で不気味な現象が続発。
恐ろしい姿の女性の霊を目撃した彼らは恐怖のあまり家から逃げ出してしまったものの、行く当てもない彼らはなんとかして家から幽霊を追い出そうと試みるが…
就職難と物価高にあえぐ韓国の韓国の若者二人が『幽霊付きの格安事故物件』を契約してしまった事から、なんとかして自宅から幽霊を追い出そうとする…という、コメディタッチのオカルトサスペンス映画。
『幽霊付き事故物件』を題材とした韓国製のオカルトコメディなのですが、いわゆるJホラー的なテイストの強いコメディホラー映画という感じの作品ですね。
といっても韓国のホラー映画って、既に『Jホラーの傍流』ってぐらいに雰囲気が似ている作品が多いので、そのまんま韓国ホラーのコメディ版と捕らえておけば問題ないかと…
(でも登場する幽霊がまんま伽椰子で、ついでも俊雄くんっぽいのもチョイ役で出てくるのには笑ってしまった。)
お話の流れとしては、『格安の事故物件に住むことになり幽霊にビビらされた若者たちが、ネットで除霊の情報を調べたりうさん臭い霊媒師に頼ったりしながら、なんとかして自宅から霊を追い出そうと奮闘する』みたいな感じの展開。
日本以上に若者の就職が厳しいと噂を効く韓国ですが、その辺の社会風刺的なネタという方向性の映画でもあるようです。
主人公たち二人は濃い目のウザキャラといった感じの面々なのですが、不快なほどウザい感じにはなっておらず、ドタバタコメディを繰り広げる面子としては良い塩梅のキャラクターという印象。
アジア系のコメディって、妙に濃すぎるウザキャラが登場して辟易とさせられる事も多いですが、途中で登場する『イケメン霊媒師』も割と良いキャラをしており、主人公やわき役も含めて全体的にキャラクターが良い味を出しているのは好印象。
ただオカルトコメディの割には、霊現象が起こるまでの前振りが妙に長く幽霊の出番もそこまで多くないため、やや物足りなさがあるのは残念なところ。
もうちょっと幽霊には、頑張って執拗に主人公たちをビビらせて欲しかったです。(特に他人に家を譲ろうとするシーンでは、もっと派手な心霊現象があっても良かったと思う。)
コメディ要素に加えて、終盤では予想外のサスペンス的な展開に突入していくのも構成として面白いです。
このサスペンス要素が、適当に作られた感じではなくて割とシッカリと伏線とかが仕込まれているのは、意外と良く出来ていて感心させられました。
ラストの展開も、割と良い感じの話でありながらしょうもないオチだったりするのも個人的には好みですし、予想以上に楽しめた作品でしたよ。
総評としましては、『まあまあ楽しめるレベルのコメディタッチのオカルトホラー映画』って感じですね。
全体的にやや薄味で強く推すには弱い内容ですが、なんかの息抜き程度に観るにはちょうど良い塩梅の一本ではないかと…
お金を払ってレンタルしてまで観るかと言われると悩ましいところですが、サブスク系のサービスとかで観れるのであれば、この手の映画が好きであればチェックしておいても損は無い感じかもしれませんよ。