NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ウィジャ・シャーク / 霊界サメ大戦」(15点/モンスター)

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■■■「ウィジャ・シャーク / 霊界サメ大戦」■■■
(15点/モンスター)


 友人たちと休暇でバカンスに訪れたジルは、他のメンバーより先に到着した事から一人で泳いでいる最中にビーチで奇妙な木片を拾う。
 それは、死後の世界から霊を呼び出す儀式に使われる『ヴィジャ・ボード』だった。


 友人たちと合流した彼女は、興味本位で『ヴィジャ・ボード』で霊を呼び出してみるが、ボードからは何故か恐ろしい『幽霊ザメ(ウィジャ・シャーク)』が召喚されてしまう。


 幽霊ザメが彼女の友人や街の人々を次々と襲撃し人々を恐怖に陥れるなか、ジルはなんとかして幽霊ザメを撃退しようと、強い霊感を持ちオカルトに詳しい父親へと助けを求めるが…

 


 バカンスに訪れた女性たちがビーチて拾ったヴィジャ盤で人食いザメの霊を呼び出してしまい、なんとかして幽霊ザメを撃退しようとする…という、オカルト風味のモンスターホラー映画。


 設定だけ聞くと『ヴィジャ盤で幽霊を呼び出す』というオカルト要素と、『人食いザメの襲撃』というモンスター映画要素を合わせた、一粒で二度おいしい的な作品かとも思えるのですが…


 最近、熱心に『超低予算のZ級モンスター映画』ばかりを買い付けてビデオ化している「コンマビジョン」さんによる新作と言えば、なんとなく予想が付いてしまう通りの内容の作品です。(笑)


 というか、そもそもサメ+幽霊というアイデアでは、既に「ゴーストシャーク」という作品があって、そちらの方は『割と普通に観れるレベルのB級作品』としてファンの間では知られていたりするので、一発ネタ的にも出遅れてる感があるのが辛いところ。


 ネタ的な目新しさはさておき、本作のお話としては『とある女性がバカンスの最中にビーチでヴィジャ盤を拾って遊び半分で使ってみたところ、何故か人食いザメの霊が呼び出されて人間を襲いまくる』という、ホントにそれだけの展開。


 ストーリーらしいストーリーもなく、ただ『ひたすら幽霊ザメが暴れ回るだけ』みたいな感じで、まあとにかくグテグテ感が強いです。


 そもそも、何でヴィジャ盤から唐突に『サメの幽霊』が出てくるんだ…という話なんですが、一応これは後で設定らしきものが語られてて、『モンスターのバックボーン』がキチンとしてるという部分に関しては好感触。


 ただ、それ以外の部分がとにかくグテグテすぎで、『なんじゃそりゃ?』って感じなのは困りもの。


 前述のとおり『お姉ちゃんたちが水着で遊んでたら、人食いザメの幽霊が呼び出されて人間を襲い始めました』以外のストーリーらしいストーリーは全くなくて、話の流れも何もなく、ほぼ『水着のお姉ちゃんが遊んでいる姿』か『幽霊ザメが暴れている姿』を漫然と見せられているだけというような状態。


 とはいえ低予算ホラーなんだから、水着の『サービスシーン』とサメの暴れる『恐怖シーン』がキチンと作られてれば、それでも十分に楽しめる気がしそうなものなのですが…


 お姉ちゃんは全員が妙にムチムチのワガママボディで、ややトウの立った感じの人が大半なのでサービスになっているのか微妙な感じですし、サメの方は東急ハンズとかで買ってきたサメのフィギュアを半透明で表示して画面の上で手で持って動かしているだけ』みたいなレベルの特撮で、迫力もヘッタクレも無いレベルなのは困りもの。


 襲撃シーンも、殆どのシーンが『映像を合成して人間を襲う』という努力すら放棄した『イメージ映像』状態で、サメが迫ってきた後に画面外で『ガブッ』って感じの効果音が聞こえるだけなので、登場人物がサメに何人襲わようが面白味も何もありません。


 キャラクターに関しても、主人公以外は無個性で主人公も『霊感がある』という以外は全くの無個性状態で、掘り下げのようなものは一切なし。


 他にも、主人公の父親が特に伏線も無く霊能者だったり、主人公は特に理由もなく車のトランクにショットガンを積んでてサメに応戦してみたりと、いろいろと意味不明でツッコミどころ満載の展開が多すぎです。


 とまあ、ここまで書くと全く観るべきところの無い作品のような感じですが、ラストの『超展開』だけは意外と面白かったりするのは困りもの。


 ここからはややネタバレになってしまいますが…

 幽霊ザメと主人公の父親との、まさにタイトルどおりの『霊界サメ大戦』みたいなバトルは、思わず腹を抱えて笑ってしまいましたよ。


 オチも色々とヤバくて『おいおい大丈夫かよ?』と言いたくなるような終わり方ですし、まさに『ラスト10分』に全てが集約されており、それだけのために見る価値がある映画と言えるかも?


 まあ、そこまでのシーンもネタ映画としてはツッコミどころ満載で楽しいですし、一応は水着のお姉ちゃんもいっぱい観れますし、点数は低いですが個人的には意外と楽しめた作品でした。

 


 総評としましては、色々と酷い出来の『オカルト風味の超低予算モンスターホラー映画』というのが正直な感想かな?


 ただ酷い出来なのですが、ネタ映画として観るのであれば十分に楽しめるレベルの作品にはなっていると思うので、そういう作品を求めているのであれば割とオススメです。


 70分程度と尺も短くて(しかもエンディングが10分弱ある)、そこまで忍耐力を要せずにサクッと楽しめる内容ですので、バカ映画好きの人には普通にオススメ出来る作品ではないかと思いますよ。