NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「レフト -恐怖物件-」(55点/サスペンス)

f:id:uei_nanigashi:20210222012438j:plain

■■■「レフト -恐怖物件-」■■■
(55点/サスペンス)


 妻を喪った中年男性のセオは若い女優のスザンナと再婚するが、自分が過去に起こした事件や、若い妻に自分が釣り合わないのではないかというコンプレックスから、いま一つ相手の事を信頼しきれずに居た。


 そんなある日、妻の仕事と休暇も兼ねてウエールズの田舎町に長期滞在する事となった彼らは、閑静な郊外の丘の上の一軒家を借りる事となる。


 しかし、相次ぐ奇妙な現象や、家族全員が屋敷に来て早々に不気味な悪夢を見るようになったのに加えて、村に食料の買い出しに行った際に屋敷にまつわる不気味なウワサを聞かされ…

 


 田舎町の一軒家を借りて逗留することとなった一家が、そこで予想外の奇妙な現象に見舞われる…という、オカルト風味のサスペンスホラー映画。


 ケヴィン・ベーコン主演で、佳作ホラーでおなじみの『ブラムハウス』による新作ですが、設定だけ聞くといわゆる『幽霊屋敷もの』のオカルトホラーっぽいのですが、ブラムハウスの作品だけあって相変わらず一筋縄では行かないノリの作品になっています。


 お話としては『若い妻と再婚した夫が一家で田舎町の一軒家に逗留する事になるんだけど、妻へのコンプレックスと過去の事件のトラウマから妻の行動に疑惑を抱くようになっていき、更には屋敷に隠された恐るべき「秘密」の影響で予想外の事態に突入していく…』みたいな感じの展開。


 中盤ぐらいまでは、『幽霊屋敷もの』というよりも『サイコサスペンス』のようなノリが強くて、妻を疑うあまり疑心暗鬼に陥っていく主人公の姿に加えて、主人公の『過去』にまつわる秘密が徐々に明らかになって行くというような感じで、やや冗長感はあるもののキャラの掘り下げもシッカリしておりサスペンスとしては悪くない印象。


 後半では『屋敷』に隠された秘密が徐々に明らかになっていき、予想外の展開に突入していくのですが、この『屋敷の秘密』が『幽霊屋敷(オカルト)』というよりも『異次元屋敷(コズミックホラー)』的なノリの凝った内容になっており、全く先の読めない展開で一気に面白くなっていくのは良く出来ています。


 ただ先述のとおり中盤あたりまでの展開がやや冗長で。ホラー要素が少なすぎなのに加えて派手な展開も無いので、ハッキリ言ってちょっと退屈なんですよね。


 中盤以降の『屋敷の秘密』が明らかになっていく展開は非常に面白いのですが、『謎解き』で解き明かされた内容が『だから何やねん?』というようなものが多くて妙にアッサリしており、更に加えてオチに関しても中途半端な部分が多くてどうにも物足りない印象。


 プロットやら世界観やらは凄く良い感じだったと思うので、もっとホラー要素をガッツリと描いてくれれば、かなり良い感じの作品になったと思うので、なんとも残念なところですよ。


 あと個人的に本作の方向性敵には、オチに関してはもうちょっとバッドエンドテイストが強いノリの方が良かった気がするんですが、そう感じるのは自分だけですかね?

 


 総評としましては、面白い部分も多いものの『物足りなさの残るオカルトサスペンス映画』って感じの作品ですね。


 ただ物足りないとは言っても、流石は『ブラムハウス』の作品だけあって捻りも効いてるうえに質は高いですし、十分に楽しめる内容という印象。


 設定やら観るべき部分も多いので、気になっているようであればチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。