■■■「ウルフマン」■■■
(45点/ゴシックホラー)
19世紀のカナダ奥地の森林地帯。
道に迷ったジンジャーとブリジットの姉妹は、森の奥で出会った一人の老婆から『この森で2人のどちらかが死ぬ事になる。』という不気味な予言を受ける。
更に森をさ迷い狩猟用の罠で負傷したブリジットは、近くを通りかかった猟師に助けられ彼らが住む交易所へと案内されるが、その場所は堅牢な高い壁で守られた要塞のような場所であった。
姉妹たちは、彼らが伝説の半人半獣の怪物である『ウルフマン』達と戦っている事を知るが、そんな矢先、砦の中に潜んでいた怪物によってジンジャーが傷を負わされてしまい…
タイトルとパッケージだけ見るとアクションホラーっぽい印象を受けるけど、その実は伝記色の強いゴシックホラー映画。
原題に「GINGER SNAPS BACK :The Beginning」とあるように、日本でもDVD化された「ジンジャースナップス」というホラー映画の続編で、シリーズの外伝的な位置付けにあたる作品のようなのですが、残念ながら私は前作は未見です。
でも、特にシリーズを観ていなくても問題無いようなお話の内容ではありました。
内容に関しては、特にゴシック的な雰囲気をモチーフとした美術デザインや映像表現は非常に見事で、雰囲気が良くて見応えはあります。
姉妹のうち一人が狼男に噛まれたせいで姉妹での対決を余儀なくされるという『赤と黒の姉妹の対決』という設定もなかなか面白いですし、伝記調の物悲しげなストーリーも悪くは無いです。
ヒルを使った狼男の見分け方なんかもアイデアとしては面白く、インディアンのシャーマンとかのキャラクターも良い味で、決して悪くない要素が揃っており結構良さげな映画に見えるのですが…
ただ、序盤~中盤となかなかモンスターが登場せずに、どうにも盛り上がりに欠けるのが辛いところ。
ラストの狼男の大群が攻めて来るシーンは、それなりに見応えがあるのですが、それ以外に余りに見せ場少なすぎて、どうしても中盤でダレてしまいます。
序盤・中盤・終盤と、それぞれにアクションシーンでも用意されてれば、それなりに盛り上がったと思うのですが、予算的に辛かったのかなぁ?
総評としましては、全体的な雰囲気や設定は悪くは無いながらも、今ひとつ盛り上がりに欠ける印象の拭えない映画です。
ゴシック調の雰囲気や、ダークファンタジー風のストーリーが嫌いじゃなければ…という感じではありますが、やはり中盤の盛り上がりの無さが最大の難点ですかねぇ?
正直、TVとかで放映された際にでも観ておけば良いか?というレベルの映画です。
全体的な雰囲気は悪くないのに、非常に惜しい感じ…。
どうでもいいけど、この『赤と黒の姉妹の宿命の対決』といった感じのゴシック調のお話に「ウルフマン」という邦題とこのパッケージはいかがな物か?と思うのですが、日本版の販売元はどういう狙いでこんなパッケージを選んだんでしょうか…