
■■■「V/H/S/99」■■■
(45点/オムニバス)
世紀末である1999年に発見された、ファウンンドフッテージ(発見された衝撃映像)の衝撃映像集。
そこには、ガールズバンドのゾンビや、墓地に潜む謎の怪物、凶悪な子供向けTV番組の映像…といった恐るべき映像が収録されていたのだった…
得体の知れない恐ろしい映像が収録されたVHSテープを発見した人々が恐るべき運命を辿る…という、ファウンドフッテージ風のオムニバス短編ホラーである「V/H/S」シリーズの新作。
割と良作の多い短編シリーズとして知られていた「V/H/S」シリーズの新作に当たる作品なのですが、最近、日本でリリースされた「V/H/S ビヨンド」は2024年製、「V/H/S 94」は2021年製の作品なのに対して本作は2022年に制作されたもので、ちょうど両作品の間に作られた作品のようですね。
新進気鋭のホラー監督やらベテランのホラー監督やらが、様々なアイデアを持ち寄って作られた短編集という形式から、どうしても作品の質にバラツキが出てしまうのは仕方ないところではあるのですが、本作が3番目に発売された理由は推して知るべし…
というか、ぶっちゃけ前の2作に比べるとイマイチな内容という印象。
短編シリーズのテーマとしては1999年が舞台となっているだけあって、どことなく世紀末感の漂うノリのテイストが強めの印象ですが、他のシリーズと違って映像集に付いて触れる『メインストーリー』みたいなのは無くて、各作品の繋ぎには『アーミーマン人形(緑色の兵隊のオモチャ)の良く分からないブラックな寸劇』が入っているのは大きな差異かも?(個人的には今回のノリも下らなくて割と好きですが…)
収録されている各作品は、以下のような感じのストーリー。
・火災でとあるバンドが亡くなったライブハウスの廃墟に侵入したロックバンドのメンバーが辿る運命
・墓場で棺桶の中で過ごす肝試しをした女子が、得体の知れない怪物に襲われる
・極悪子供向けTV番組の関係者が恐ろしい目に遭う』、
・悪戯少年がセクシーな隣人を盗み撮りしようとしたところ、隣人がとんでもない怪物でした
・とある新興宗教が自分たちの「神」を召喚しようとしたところ逆に地獄へと引き込まれてしまう
他の「V/H/S」シリーズと同様に、各作品のコンセプトやらプロットは割とありがちな感じではあるのですが、他のシリーズに比べると突き抜けた『個性』が感じられない作品が多かったのはちょっと残念なところ。
『極悪子供向けTV番組』とかコンセプトとかは悪くないと思うので、もうちょっと上手く処理できなかったのかなぁ…とか、絵的な面白さがあればもうちょっと良くなりそうな作品も多くて勿体ないなと感じる部分が多いのは、恐らく新人監督が作った作品が多いからなのかな…
個人的には、なかなか強烈なデザインの異形やらクリーチャーが大量に登場する『新興宗教のメンバーが地獄に引き込まれる』エピソードが割と好みだったかなぁ?
あと、『極悪子供向けTV番組』の終盤のヤケクソ気味の超展開とかも割と好きかも?
全体的にサクサクと進んでテンポの良い話が多かったのは悪くなかったのですが、今回はちょっとインパクトの弱い作品が多かったのが残念なところです。
「V/H/S」シリーズと言えば『尖った個性の短編作品』に期待しているので、今後も個性的な作品を中心にシリーズを続けて行って欲しいところですよ…
総評としましては、『低予算ながらも及第点レベルのオムニバス形式ファウンドフッテージホラー映画』って感じですね
最近出た「V/H/S」シリーズの2本に比べるとどうしてもインパクトが弱くて、そこが気になってしまうので、そちらを観てないようでしたらそちらの2本(「V/H/S ビヨンド」、「V/H/S 94」)を先に鑑賞するのをオススメします。
とはいっても、まあ突き抜けた個性は無いもののそれなりに楽しめるオムニバスホラー作品ではあるので、「V/H/S」シリーズが好きな人であればとりあえずチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。