■■■「ゴースト・ハウス 2」■■■
(50点/オカルト)
農場を経営するジョンは、トウモロコシ畑の不作による経営難と、生活苦による家庭内不和に頭を抱えていた。
そんなある日、納屋の置くの隠し扉から不気味なカカシを発見した彼は、カラス避けの為にそのカカシを畑に立てる事とする。
農場を荒らしていたカラスが大量死したり、故障していたスプリンクラーが突然直ったりと奇妙な幸運に恵まれるが、同時に借金を融資していた資産家が事故死したり、妻に横恋慕していた古くからの友人が原因不明の自殺をしたりと言った、不気味な事件も起こり始めるのだった…
サム・ライミ率いる映画スタジオである『ゴースト・ピクチャーズ』の製作による、幽霊屋敷ものオカルトホラー映画。
タイトルに「2」と付いている事から分かるように、一応はシリーズものの第2弾的な感じのお話ですが、前作と『舞台になっている場所が同じ』というだけで、ストーリー的にはそれほど繋がりがある訳でも無いので、前作を観ておかなくてもそこまで影響は無いかな?
前作は「悪魔の棲む家」の『農場版』っぽい感じのオーソドックスな幽霊屋敷もののオカルトホラー映画でしたが、本作も基本的なノリは同じなのですが今回は『呪いのカカシ』みたいなのが登場して、良く言えば『よりエンターテイメント寄り』に…悪く言えば『安っぽい印象のお話』になったような感じですね。
序盤のオカルトっぽいノリや、中盤でのサイコホラーっぽい雰囲気はなかなか良い感じで、映像や演出のクオリティも割と高くて、流石は『ゴースト・ピクチャーズ』の作品だけあってソツの無い安定した完成度です。
…が、まっとうなオカルトホラーなのかと思って見てたら、終盤に至って『呪いのカカシ』が
「案山子男」ばりに動き出して、人間を襲い始めるというモンスターホラーのような展開になってしまい、『なんじゃコリャ?』って感じで、良くも悪くも度肝を抜かれましたよ。
まあハリウッド映画では『こういうノリ』の方が一般ウケが良いんでしょうが、シリーズものなんだからせめてオカルト映画のノリで統一しろよと…
とまあ、ストーリーとかノリ的にはツッコミどころ満載な内容でしたが、完成度としては総じて悪くない雰囲気の作品ではありました。
というか、ここの映画スタジオは「THE GRUGE」シリーズにせよ本作にせよ、シリーズを重ねると『どんどんイロモノの方向へと走っていく』というノリは、どうにかならんものですかね?
シリーズ物だと思わなければ結構よく出来てるので、特にコレといった違和感も無く『ああ、こういう話なんだ』ってノリで済むと思うのですが、シリーズ物の体裁を取っているせいで『何だかなぁ…』って感じになってしまっている作品が多い気がするのですが…
総評としましては、オカルトものとしての雰囲気は悪く無いですし、モンスターものとして見てもそこまで酷いレベルでも無いので、総じて『そこそこ良く出来た作品』だとは思います。
ただ、『序盤~中盤までのノリ』と『ラストの唐突すぎる展開』に、ちょっと面食らう部分があるので、そういった『何でもアリ』的なノリを許容できれば、それなりに楽しめる作品だと言えるでしょう。
前作が好きだった人が『正統派のオカルトホラーの続編』として期待して観た場合は、ちょっと肩透かしを食らってしまうかもしれないので、そういうノリを期待している人は要注意ですな。