■■■「ブラッド・オブ・ヴァンパイア」■■■
(45点/モンスター)
カリフォルニアに住む大富豪のトムは、ある日、自らを医師と名乗るキャリーから『心身症で入院している弟のクリスが病院から逃走した』という話を聞かされる。
弟を探す事となった彼はクリスの隠れ家を訪れるが、そこで何者かによって自分の弁護士が殺害されており、壁に残された奇妙な記号のようなメッセージが残されているのを発見する。
弟の行方を追ううちに謎のギャング集団に捕らえられた彼らは、ギャングの集団が実はヴァンパイアで、彼女は医師ではなくヴァンパイアハンターであるという事を知らされ、更に彼の弟が伝説のヴァンパイアである『ヴラド・コサイ』の復活に関わっているという驚くべき事実を知らされるが…
現代に生きるヴァンパイアハンター達が『伝説のヴァンパイア』の復活を阻止するために戦うという、モンスターホラー映画。
特に敢えて解説の必要もないような感じの、いわゆる『ヴァンパイアハンターもの』のアクションホラー映画ですね。
よくあるアメコミ風味のヴァンパイアハンター映画なのですが、低予算映画だけあってアクションや特撮なんかに関しては、ぶっちゃけて言うとショボ目です。
ストーリーはなかなかに凝った構成をしており、『伝説のヴァンパイアであるヴラド・コサイの正体と彼にまつわる秘密とは』というのを中心で展開して行くのですが、お話の中で時間軸が前後していたりちょっとしたドンデン返し的な展開があったりと、なかなか意欲的な作り。
ただ、それが本作の面白さに繋がっているかと言われると正直に言って微妙なところで、とにかく矢鱈めったらに時間軸が前後する構成のせいで、たいして複雑な話じゃ無いのにストーリーが妙に難解。
クライマックスのシーンである『現在』からお話が始まったと思ったら、次に『1日前の昼』に時間が飛んで『1日前の夜』に時間が飛んで、また『1日前の昼』に時間が飛んで…といった具合に、無駄に話が前後するお陰で観てて少しイライラします。
そういう演出が悪いとは言わないのですが本作ではそこまで効果的に使われている訳でも無いですし、ここまで無意味に時間軸を前後させまくる必要があったのかは大いに疑問。
作品の雰囲気とかヒロインのキャラクターとかはなかなか良く描かれているのですが、アクションホラーの割には盛り上がるシーンもあまり無いですし、全体的にダラダラと冗長な感じの展開が続くので、キャラクターの魅力を殆ど活かしきれて居ないのは厳しいところ。
ストーリーもちょっと捻りが効いててラストの展開とかも意外性がある感じなんですが、物凄く『投げっぱなし』とも言えるようなオチは賛否両論あるかも?
全体的に悪くは無いんですが、もうちょっと派手さがあってテンポがよければ割と良い作品になったんじゃ無いかと思うんですけどねぇ。
総評としましては、ストーリーや構成やら色々と頑張ってる努力は認めるんですが、どうにも『決め手に欠けて今ひとつ盛り上がりが乏しい作品』といったところですかね。
そこまで酷い作品では無いですし内容的には全く楽しめないレベルでも無いんですが、正直言って『好んでみる程の内容でも無い』ので、オススメするにはちょっと弱い感じの作品ですねぇ…
まあ『ヴァンパイアハンターもの』とかが好きであれば、それなりには楽しめる作品だと思うので、そういうのが趣味であれば『気になるのならチェックしてみても良いかも?』って程度の1本ですかね?