■■■「キラーゲーター THE KILLER GATOR」■■■
(40点/モンスター)
湿地帯で行方不明になった父を探すために故郷のルイジアナへと帰郷したローラは、地元で『湿地ツアー』を営む父の代理で観光客たちをツアーへと案内することとなる。
しかし、ツアーの途中で地元のチンピラが巨大なワニに犠牲者を食べさせている現場を目撃した彼女は、現場からとっさに逃げようとするがその甲斐なくチンピラによって捕らえられてしまう。
彼女はチンピラたちがマッドサイエンティストの指示で父の湿地帯を狙い、太古のワニ型恐竜を復活させて犠牲者を食わせている事を知り、なんとかして一味のアジトから脱出しようとするが…
マッドサイエンティストの企みによって復活させられた恐竜時代の巨大ワニが湿地帯で人々を襲うという、モンスターパニック映画。
「キラーゲーター」とかいかにもワニっぽい邦題が付いてますが、正確にはワニ映画じゃなくて『ワニに良く似た水棲恐竜』が登場するお話です。
本作に登場するのは「プリオサウルス」という恐竜で、ワニの手足を魚のヒレにしたような格好をしているのですが、全長が15mという巨体に3m以上の巨大なアゴを備えた史上最大の肉食恐竜とされている生物ですね。
以前に「モササウルス」をモチーフとした映画がありましたが、アレが倍ぐらいのサイズになった感じかと…
お話的には『化石化していない恐竜の骨から遺伝子を採取したマッドサイエンティストが、遺伝子操作でプリオサウルスを復活させてしまった』といった感じの設定なのですが…
その秘密を守るために『地元のゴロツキを使って捕らえた人間を恐竜のエサにしてしまっている』という感じの展開で、マッドサイエンティストに捕らえられたヒロインとマッドサイエンティストのやりとりがメインのストーリーになっており、モンスターパニックものというよりはサスペンス色の強い作品ですね。
ストーリーの展開の都合上で恐竜の出番はそこまで多くなくて、サブキャラ的な色合いが強くてあまり印象に残らないのは残念なところ。
CGとかはそれなりに良く出来ていて恐竜のデザインなんかも悪くないのですが、「史上最大の肉食恐竜」をモチーフにしている割にはインパクトが薄いのは辛いですね。
お話の設定的にも『恐竜を復活させたマッドサイエンティスト』ってのが、実はヒロインの元旦那という設定で『研究のために平気で住人を殺しまくるような相手と結婚してたのかよ?』と思うと、今ひとつ主人公に感情移入出来ずに何だかモヤっとした感じになってしまうのは自分だけですかね?
お話も恐竜の出番が多くない為にちょっと盛り上がりのポイントに乏しい感じですし、ツマんなくは無いんですが物足りなさを感じてしまう内容なんですよねぇ…
終盤の恐竜が大暴れするシーンはそれなりに盛り上がるのですが、ラストの恐竜の退治の仕方も物凄く唐突で『えっ、何それ?』って感じですし、何か全体的に違和感を感じてしまう部分の多い映画でしたよ。
総評としましては、出来が悪くは無いんですが何となく物足りないというか『コレジャナイ感』を感じてしまうような作品でした。
そこまでツマんないという訳でもないのですが、モンスター映画として観ると物足りない部分が多くコレといって推すような部分もあまりないので、微妙に不満点ばかりが目立ってしまうような印象に…
モンスター映画が大好きで、どうしても「プリオサウルス」の事が気になるというのであれば観ることを止めるほどでは無いですが、敢えてオススメするほどの作品でも無いので気になる人は『お好みで』と言った感じの一本ですかね?