NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「REC3/レック3 ジェネシス」(65点/モンスター:結構オススメ)

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■■■「REC3/レック3 ジェネシス」■■■
(65点/モンスター:結構オススメ)

 結婚する事となった若いカップルであるコルドとクララは、友人や親戚たちを招いて巨大な結婚式場で盛大な結婚式を行う事となる。

 しかし披露宴の最中に、来客の一人が唐突にゾンビのような怪物と化して他の来客に襲いかかるという事件が発生。
 更に怪物に襲われた客が次々と怪物と化して行き、披露宴会場は一瞬にして阿鼻叫喚の地獄絵図と化してしまう。

 怪物から逃れたコルドたちは教会に立てこもって難を逃れようとするが、怪物から逃げる混乱の際に妻のクララと離れ離れになってしまうが、館内放送で妻が中央管理室に居ると知った彼は、妻を助けるためになんとかして管理室へとたどりつこうとするが…



 謎の感染症によりゾンビ化した感染者たちに人々が襲われる様子を描いた、スペイン製のPOV形式のゾンビ映画の第3弾。

 ハイテンションなPOV形式のゾンビ映画として話題を集めた「REC」シリーズの第3弾に当たる作品ですね。

 第3弾と言っても、本シリーズは1~2で殆ど謎解きも終わりストーリーも完結してしまっている印象があるので、どうやって3作目を作るのかと思っていたのですが…

 一応ベースとなる設定は同じで、1~2作目と時間軸を同じにした『別の場所で起こった事件』という感じのお話のようですが、ストーリー的な繋がりは殆ど無い『全く別のお話』と考えても良いレベルの作品のようです。

 また本作もシリーズの伝統にのっとってか最初の20分ぐらいは『結婚式を写したホームビデオの映像』というPOV形式で展開されるのですが、POV形式なのは序盤の20分のみで中盤以降は普通のゾンビ映画になってしまいます。

 まあ正直言って、2作目の時点で既に『本シリーズをPOV形式で描くメリット』は殆ど感じられなくなっていたので、普通のゾンビ映画的な描き方に変更したのは正しい判断では無いかと…

 ただPOV形式で無くなった事によって本シリーズの個性が失われた部分もあるのは確かですが、むしろ『テンポの良いハイテンションなゾンビ映画』としての完成度の上がった部分の方が多い印象で、なかなかノリの良いゾンビ映画に仕上がっています。

 1~2作目で謎解きがほぼ完了してしまっている事もあって、本作ではストーリーらしいストーリーは無くて『とある新婚夫婦がゾンビから逃れながらひたすら戦う』というだけのお話になっているのですが、非常にテンポが良く退屈しない作りになっているのは良い感じ。

 いわゆる『やりすぎゴア映画』的なお馬鹿要素の強い作品で、花婿が教会に展示されている鎧とメイスで武装して花嫁を助けに向かえば、花嫁はウエディングドレスでチェーンソーを振り回してゾンビと戦ってみたりと、とにかく矢鱈とノリが良くて印象に残るようなシーンが多いです。

 かといってお馬鹿なだけの作品という訳でも無くて、ゾンビの襲撃シーンは矢鱈とエグいシーンや怖い演出が多くて、脱出しようとするバスがゾンビに襲われるシーンや、花嫁の母親がゾンビになって登場するシーンとかはマジに怖くて、非常に良く『ゾンビ映画のツボ』を押さえている感じです。

 ラストもある程度は『読める展開』ながらもなかなか上手い落とし方だと思いますし、『監督がゾンビ映画の事を良く理解しているなぁ…』という雰囲気で、なかなか良い印象を受けましたよ。

 ただゾンビの『意外な弱点』に関しては、あまりに急展開すぎて(あんな設定って1~2作目で前振りとかありましたっけ?)、ちょっと唐突すぎる印象を受けたのは気になるところ。

 あとビジュアル的に『印象に残るシーン』が多い割にはゾンビと戦うシーンが意外と少なくて、アクション的に『ちょっと物足りなさを感じた』のは残念な部分だったかもしれません…


 総評としましては、テンポもノリも良いんだけど怖いシーンはシッカリと怖いという『なかなか良く出来た佳作レベルのゾンビ映画といった感じの作品です。

 正直、2作目は蛇足的な部分が多くてイマイチだったのであまり期待してなかったのですが、POV要素を捨てて『正統派のゾンビ映画』に方向転換した事が功を奏した印象ですね。

 1~2作目を観てないと設定的に分かり難い部分はあるかもしれませんが、ゾンビ映画が好きならば『難しい事は考えずに純粋に楽しめる作品』だと思いますので、この手の作品が好きであれば本作単体でもチェックしておいて損は無い1本だと思いますよ。