NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「6TRAP 6トラップ」(50点/サスペンス)

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■■■「6TRAP 6トラップ」■■■
(50点/サスペンス)

 郊外のオークベイ高校に通う女子高生のブリーは、ある夜、6人の友人たちと共にビーチハウスでパーティを行う事となる。

 しかし、彼女がパーティの最中に意識を失ってから目を覚ましたところ、仲間たちが何処にも居なくなっている事に気付く。

 不審に思い友人たちを探す彼女だったが、正体不明の何者かからのメールで、友人たちが『それぞれの異なる罠の仕掛けられた木箱』に閉じ込められており、一定時刻までに彼らを発見しないと彼らが殺害されると告げられる。

 彼女は携帯電話での通話の情報を元に、なんとかして友人たちの閉じ込められた場所を特定し、彼らを救出しようとするが、そのゲームの様子は犯人の手によってライブとしてネット配信されており…



 正体不明の何者かによって『罠の仕掛けられた木箱に閉じ込められた6人の若者たちの命を救う』という主人公の行う死のゲームの様子を描いた、サスペンススリラー映画。

 いわゆる「SAW」みたいなタイプのシチュエーションスリラー映画の亜流って感じの作品ですが、基本的にあそこまでシリアスでもエグい内容でも無くて、ヒロインも犠牲者も高校生だし良くも悪くもティーン向けの『軽い感じの印象』のお話ですね。

 何者かの陰謀で6人の仲間たちの命を賭けた『死のゲーム』をやらされる事になったヒロインが、なんとかして無事に仲間を救出しようとする…みたいな感じの内容で、6人の閉じ込められた箱にはぞれぞれ『火の迫る箱』、『水没する箱』、『機械で切断される箱』、『毒虫が蠢く箱』、『電流が流れる箱』、『窒息する箱』といったトラップが仕掛けられているという感じなのですが…

 このトラップの設定が、あるものは完全な時限式なのに対して、あるものは犯人の気分次第で発動できたり、犯人が直接手を下さなければ発動できなかったりと、どうにもアバウトすぎます。
 この設定の適当さのお陰で『死までのタイムリミットが間近』というような危機感があまり無くて緊張感が感じられずに、設定の割には今ひとつ盛り上がらないんですよね。
 箱のトラップは『何時間か置きにタイマーで起動する』みたいな感じに設定をしておいた方が、緊張感があって良かったと思うのですが…
 (まあ、この『アバウトさ』も伏線と言えば伏線なのかもしれませんが…

 でもスマートフォンやらのガジェットや、携帯電話の妨害装置を逆探知して犯人を追跡したり仲間の場所を特定したりする流れや、事件をWebでライブ配信したりする展開は、いかにも『現代っぽい設定』でなかなか面白かったと思います。

 出来ればもうちょっと専門的な仕組みや技術的なネタを詳しく仕込んでおいた方が、お話に箔が付いて説得力の増す感じになって良かったかも?

 また謎解きを平易にする事でテンポを良くしてるのは、お話が『軽くなっている要素』の一因ではあるのですがお話の展開のスピーディさに一役買ってる感じで悪くないと思います。

 ただ、ラストの事件の真相が矢鱈と唐突(確かに伏線はあったけど、あんなのいちいち覚えてないよ…)なのと投げっぱなしなのは、この手の作品にはありがちながらももうちょっとどうにかして欲しかったなぁ…
 (っていうか割と杜撰(ずさん)な犯行なので、事件後に警察がマジメに捜査したら犯人も普通に捕まってたと思うんですが…)


 総評としましては、良い意味でも悪い意味でも『普通のシチュエーションスリラー映画』って感じの作品ですね。

 そこそこテンポ良く観れるしツマんない訳では無いのですが、コレといった要素も無くて決め手に欠けるといった感じの内容ですが、ティーン向けを意識して敢えて『軽めに作られた作品』って感じなのかも?

 ちょっと『面白そうな設定』に『実際のお話』が負けてるような出オチ感はあるので、過剰な期待をしなければそれなりに楽しめる作品といったところでしょう。
 予告を観て気になってるレベルなら、『まあ、お好みで…』といった感じですかね?