■■■「トマホーク ガンマンvs食人族」■■■
(20点/アクション)
アメリカ西部開拓時代の荒野のブライトホープという田舎町で、ある日、数人の住人が姿を消し、納屋で何者かに八つ裂きにされた死体が発見されるという事件が発生する。
保安官のハントは、現場に残された矢や痕跡から原住民の犯行と推測。
原住民の識者に話を聞いたところ、食人の習慣のある野蛮な穴居人たちの仕業だろうという話を聞かされる。
彼は拉致された住民たちを救うため、保安官助手や妻を誘拐されたアーサーらとともに4人のメンバーで、穴居人たちの住むという『飢えしものの谷』という場所を目指す事となるが…
西部開拓時代に原住民によって住民を誘拐された保安官たちが野蛮な食人族と戦うという、バイオレンスアクション映画。
タイトルからしていかにもヤバそうな印象の作品ですが、こんなタイトルのクセにカート・ラッセルやパトリック・ウィルソン、マシュー・フォックスといった豪華俳優陣がメインのキャストとして出演しており、『正気かよ、こんな風に見せてホントは結構スゴい作品なんじゃ?』とか、ちょっと気になって観てみたのですが…
映画の内容の方も『正気かよ!?』とツッコミを入れたくなるような、どうしようもないような作品でしたよ。
お話としては、『アメリカの荒野の町に住む保安官たちが、食人族と噂のある原住民によってさらわれた住人を救出に向かう』というホントにそれだけの内容です。
途中でちょっとしたどんでん返しでもあるかのような伏線があるのですが、実際の中身の方は特にコレといった意外性も無く単純に『ガンマンが食人族たちと戦う』という、なんの捻りも無いような展開。
豪華キャストを使ってるだけあって、映像の作りなんかは意外とシッカリとしておりそれなりに観れるレベルですし、『ここまでシンプルなストーリーなら逆にクソ映画にはならないんじゃないか?』と思われそうなものなんですが…
本作の何が辛いってとにかく『ビックリするほど退屈な映画』なんですよ。
こんな内容なのに、映画の尺は何故か130分強もあって内容の割に無駄に尺だけが長い。
しかもその尺の大半の時間は4人の男たちが単純に荒野をダラダラと旅しているだけで、大した事件も起こらなければドラマもありません。
『旅しているシーンを延々と描く』という内容からロードムービー的なノリなのかというとそうでもなく、特に新たな出会いがある訳でも無く、男たちが親交を深めるでもなく、人間的な成長が描かれる訳でも無く、ただただダラダラとしたシーンが90分近く続くので、純粋に尺が長いだけ恐ろしく退屈です。
90分あたりからの原住民の棲家に到着してからの展開はそこそこスピーディで観れる内容なのですが、そちらに関しても派手なアクションや過激な残虐描写もそれほどなくて、どうにも見どころが無くて中途半端で盛り上がりに欠ける印象。
主人公の足のケガとかも意味があるのかと思ったらそこまで意味が無いですし、途中で出てきた馬泥棒みたいなのも何かの伏線かと思いきやそうでもないですし、ラストに関しても『えっ、それで終わり?』としか言いようが無いような物凄く唐突でブツ切り満載のオチ。
全体的に『もうちょっと、どうにかならなかったのかよ?』と言いたくなるなるような部分が多すぎで、『もしかして豪華キャストの出演料を払ったら、他ところにかける予算が足りなくなったんだろうか?』とか穿った見方をしてしまいたくなったのは自分だけですかね?
総評としましては、微妙オブ微妙というか『微妙過ぎて観るのが辛いアクション映画』としか言いようが無いような作品です。
キャストだけは無駄に豪華なので『出演している俳優のファンなら…』と言いたいところですが、『そういう方向性でで楽しむにも限度がある』という感じの内容なので正直言ってあまりオススメしません。
食人族ネタが大好きでも西部劇が大好きでも、どっち方向にも物足りないような映画ですので、そういうジャンルが好きだとしてもよほど暇を持て余してなければスルーしてしまって良い感じの一本だと思いますよ…