■■■「ハッピー・デス・デイ 2U」■■■
(60点/サスペンス)
(60点/サスペンス)
ベイフィールド大学に通り量子力学を研究する学生のライアンは、ある日、量子力学の実験装置の実験の直後に隣の準備室から奇妙な物音を聞き、その部屋に立ち入ったところ赤ちゃんのようなマスクを被った正体不明の何者かによって殺害されてしまう。
しかし、殺されたと思った瞬間に目を覚ました彼は、たったいま『自分が殺された筈の日』が時間がループしているかのように繰り返されている事を発見。
困惑した彼がルームメイトのカーターに相談したところ、カーターの恋人であるツリーが、かつて彼と同じように『同じ一日を繰り返して殺され続ける』という奇妙な体験をした事があるという驚くべき事実を知らされ…
女子大生が『同じ時間を繰り返して延々と殺され続ける』という謎の現象に見舞われる、タイムループもののスラッシャーホラー映画である「ハッピー・デス・デイ」の続編に当たる作品です。
今回は主人公の恋人のルームメイトである、『量子力学を研究する青年』が時間のループに囚われるところからお話が開始するのですが、ストーリー的には完全に『前作の続きのお話』になっており、前作では全く説明される事が無かった『主人公の時間が何故ループするようになったか』という現象に関する『謎解き編』というような位置づけになっている印象。
相変わらず不気味な『赤ちゃんマスクの殺人鬼』も登場するのですが、それ以外にも大学生たちが研究する『怪しげな量子力学の実験装置』が登場したりと、SF的な要素がかなり強くなっており、ホラーというよりはSFサスペンスと言った方がシックリ来るような内容かも?
ストーリーについてあまり書くと本編のネタバレになってしまうので細かくは触れませんが、前作に比べると『同じ時間を繰り返す』というタイムループ的な要素はかなり弱めで、SF的な物語を重視した展開がメインとなっているのですが、テイストは変わったとしてもこちらのストーリーの方もシッカリと面白いのは良い感じ。
主人公を中心とした人間ドラマ的なお話の味付けもなかなか良い感じですし、量子力学を研究する新キャラの科学クラブの面々も良い味を出しています。
ただ、子気味良くてテンポの良かった前作に比べると、ストーリーや設定をシッカリと語るというお話の流れの都合上、どうしても少しテンポの悪さを感じる部分があるような作りになってしまっているのは残念なところ。
前作のような、非常に展開の早いハイテンポでハイテンションなノリを期待していると、ちょっと肩透かしを食らわされてしまうかも?
また、前作ではホラー要素がなかなか良く出来ていたのですが、本作では殺人鬼の影がかなり薄くてオマケみたいな扱いになってしまっており、ホラー的な部分では物足りなさを感じてしまいましたよ。
あと、SF要素が強めといってもそこまでガチのSFじゃないので、当然ながらツッコミどころも非常に多くて、『それで本当に大丈夫なの?』とか疑問を抱いてしまうような部分が多いのはご愛敬かな?
でも、オチのオマケ的な要素とかもなかなか良かったですし、歴史を修正するために主人公がひたすら自殺を繰り替えすタイムループネタなんかも笑えましたし、本作ならではの良い部分も割とあったので、不満点もあるものの『こっちはこっちで有りかな?』という感じで楽しめた続編ではありましたよ。
総評としましては、「ハッピー・デス・デイ」の謎解き編に当たる『なかなか楽しいSFサスペンス映画』という感じの作品です。
タイムループ要素とかホラー要素はスッカリ薄くなってしまいましたが、お話そのものは普通に面白いですので、『前作の完結編』として気になるようであれば観ておいて損は無い一本だと思いますよ。
ただ、前作を観ていないとストーリーが良く分からなくて楽しめなさそうな要素が多いので、観るのであれば必ず先に前作を観てからチェックする事をオススメします。