■■■「インシディアス 第2章」■■■
(60点/オカルト)
息子が死者たちの世界である『暗黒の領域』に連れ去られるという恐ろしい現象に遭遇するも、父親のジョシュの捨て身の行動と霊能力者のエリーズの尊い犠牲のもとに、なんとかして息子を『暗黒の領域』から連れ戻す事に成功したランバート一家。
しかし、平和が訪れたと思うのも束の間、再び怪奇現象が彼らの家庭を襲うようになる。
『暗黒の領域』から戻ってきた父親のジョシュが、まるで別人のような奇妙な行動を取りはじめた事や相次ぐ怪奇現象から、子供の頃に霊媒体質だったジョシュが別の霊に取り憑かれてしまったのではないかと考えた彼らは、原因を突き止めるためにエリーズの友人である霊能力者のカールに協力を依頼し調査を開始するが…
死者たちの『暗黒の領域』から息子を取り戻したダルトン一家が、時を置かずして再び恐るべき恐怖に直面するという、「インシディアス」の続編に当たるオカルトサスペンス映画。
まずタイトルに「インシディアス 第2章」とあるとおり、前作である「インシディアス」の続編となるお話なのですが、ホントに『前作の終わった直後』からお話が続いている感じで、前作を観てないとストーリーがサッパリ分からないと思われますので注意が必要です。
お話としては、『ランバート一家を襲っていた怪奇現象は、実は息子の霊媒体質のせいだけじゃなくて父親の過去にも原因があって…』みたいな感じの後付け設定的なお話なのですが…
この父親の過去に隠された秘密が割と『とんでも無い感じの内容』で、なかなか意外性のある展開で楽しませてくれます。
作中で『前作のラストの直後の数日程度』のお話を追っかけている感じの展開なので、ストーリーはビックリするほどスピーディで良い感じではあるのですが、逆に前作を知ってる事が当然のように詳しい解説も無くお話が進んでいくので、前作の設定を良く覚えていないと『ん?』となっちゃう恐れも…
(というか前作のストーリーの記憶があいまいな人は、何らかの方法で一度おさらいしておいた方が良いかも?
自分は序盤で父親の過去と前作の話の関連が良く分からなくなって、ちょっと混乱しました。)
また前作とはテイストもだいぶ違う作品になった印象で、演出や雰囲気が重視されていた前作に比べると、本作は謎解きがメインのオカルトサスペンスという感じの作品になってしまっていますが…
前作はかなりケレン味の効いた作風だったため、コレは逆に『見易い内容になった』とも言えなくもないかも?
個人的にこの路線変更は『意外性のある切り口』で面白いと感じましたが、前作のノリをそのまんま期待しているようであればちょっと印象が違ってしまうかもしれません。
ただテイストは違うとはいえ、オカルトサスペンスとしての出来はなかなか秀逸で、謎の提示の仕方やら序盤で貼られた伏線の回収やらも良く出来ており、なかなか良くまとまった作品になっているのは良い感じですね。
終盤の展開がなかなか熱い感じなのも良い感じですが、ラストはちょっとアッサリしすぎなのでもうちょっと盛り上がる展開があっても良かったかも?
あと展開がスピーディなのは良いのですが、正統派オカルトホラーの続編に無理に別のベクトルの作品を組み込んだみたいな構成になっているので、全体的にちょっと駆け足気味で強引な展開が多いのは気になった部分かなぁ…
総評としましては、普通の『なかなか良く出来たオカルトサスペンス映画』って感じの作品ですね。
ただ、いかんせん前作を観てないと訳が分からない部分が多いと思われますのでそういう意味で人を選ぶのと、前作がちょっと人を選ぶノリだったのが割と普通になってしまったので『不満を感じる人が居るかも?』ってのは気になるところではあります。
とまれ個人的には前作よりもすんなりと楽しめましたし、なかなか面白かったと思いますので、前作が好きだった方で気になっているのであればチェックしておいて損は無い作品だと思いますよ。