■■■「ドリームキャッチャー 呪われた魔除け」■■■
(50点/オカルト)
不慮の事故で母親を失った少年ジョシュは、そのトラウマから悪夢に悩まされ続けていた。
作家の父と、再婚した母のゲイルと共に森の奥の別荘に訪れた彼は、家族と一緒に訪れたハイキングの途中で立ち寄った雑貨屋で、ひっそりと隠すように保管されていた『悪夢除けのお守り』と言われるドリームキャッチャーを発見。
悪夢から逃れたい一心でそのお守りをこっそりと持ち帰ってしまうが、それ以降、彼らの周りで不審な事故や不気味な現象が起こるようになっていき…
母親を不慮の事故で失い悪夢に悩まされる少年とその家族が、『呪いのドリームキャッチャー』によって本当の悪夢を体験する事となる…というオカルトサスペンス映画。
「ドリームキャッチャー」と言っても同名のS・キングの作品とは何の関係もなく、『呪いのドリームキャッチャー』を手に入れてしまった少年とその家族が味わう恐怖を描いた割とオーソドックスな感じのオカルトサスペンス映画です。
お話としては『母親を失ったせいでトラウマから悪夢に悩まされる少年が、悪夢から逃れたい一心で雑貨屋に隠すように置かれていたドリームキャッチャーをこっそり持ち帰るんだけど、実はそのドリームキャッチャーは恐るべき悪意の込められた「呪いのドリームキャッチャー」だった…』というようなストーリー。
ノリとしてはサスペンス要素が強めのオカルト映画という感じで、『呪いのドリームキャッチャー』に秘められた『呪い』の謎を中心として、『少年の母親の死に隠された秘密』等も交えつつ謎解きが進んでいくといった感じでお話が展開していきます。
『閑静な森の中の別荘』やら『少年の見る悪夢』といったオカルトとしての雰囲気作りも悪くないですし、ややネタバレになってしまいますが、最初は関係なさそうに見えた『母親の死』や『ドリームキャッチャーの呪い』といったいくつかの事象が、お話が進むに従って徐々に一つに結びついていくという謎解きの流れもなかなか面白いですね。
死んだ母親の霊が少年をそそのかして『新しく来た母親を殺させようとする』という展開も、コテコテながらなかなか怖いですし、オカルトサスペンスのプロットとしては出来は悪くない印象。
ただストーリーそのものは悪くないのですが、全体的に非常に地味な展開の部分が多くて、いま一つ盛り上がりに欠ける内容なんですよね。
『ドリームキャッチャーの呪い』に囚われてから発生する、いくつかのアクシデントやら恐怖演出も地味で絵的に面白味に欠けますし、他の恐怖シーンに関しても全体的に迫力不足なのは困りものです。
また終盤の展開は、なかなか予想外で先の読めない感じで面白いのですが、ラストが矢鱈とアッサリしてる上に中途半端で非常に印象が薄くなってしまっているのも残念なところかなぁ?
トラウマ系の展開を描くなら、恐怖演出も展開も含めてもうちょっとエグい内容の方が良かった気がしますよ…
総評としましては、『いま一つパンチに欠ける地味目のオカルトサスペンス映画』って感じですね。
雰囲気やらプロットやらは悪くないのですが、どうにも記憶に残る部分が無くて『半年もしたら忘れてしまいそうな映画』というのが正直な感想でした。
ツマんない映画では無いので気になるならばチェックしてみても良いかもしれませんが、個人的には『定額配信系のサイトででも配信されたら、そのタイミングでチェックしてみる程度で良いかなぁ?』って感じの作品という印象でしたよ。