■■■「ザ・プロテクター 絶対に渡してはいけない機密情報24時」■■■
(60点/アクション)
銀行で働く警備員のカムコンは、ある日の夜勤明けの帰りに近所の食堂で謎の銃撃戦に巻き込まれてしまう。
かつて軍の特殊部隊のエリートだった彼は、銃撃戦に謎の襲撃者たちに反撃し、なんとか脱出に成功。
襲撃者たちに狙われていたと思しき一人の男性を救出するが、その男は実は近隣の国家であるケントラットの大統領で、国家転覆を目論む恐るべき陰謀に巻き込まれていくのだった…
元特殊部隊出身の警備員の男が、なし崩し的に大統領誘拐を始めとした国家転覆の陰謀へと巻き込まれていく…という、タイ製のアクションコメディ映画。
「マッハ!!!!!!!!」の俳優が出演しているガンアクション映画という事ですが、サブタイトルからも分かるように割とコメディ色の強い感じの作品ですね。
といっても内容的に『24時』要素とか全くありませんし、笑った人間が尻バットされるような映画でもありません。(もしかして『タイキック』繋がり?)
お話としては、『とある元特殊部隊の警備員の男が帰宅の途中に、テイクアウトのラーメンを買おうとしてる最中に発生した謎の銃撃戦で一人の男を助けるんだけど、その男が実は隣国の大統領で…』みたいな感じの展開。
それに加えて、主人公が手違いで『国家転覆させかねない情報』を納めたUSBメモリを持ち出してしまったり、主人公の友人の恋人が実はその大統領の娘だったり…といった感じで、全体的にコメディらしくドタバタ感の強い感じでお話が進んでいきます。
そういったドタバタで軽妙な展開に加えて、タイ製のアクション映画らしい『身体を張った派手なアクションシーン』による銃撃戦やら格闘シーンやらが見どころとなっている印象。
流石にハリウッド映画のような金のかかってそうなド派手な演出は無いものの、全体的にアクションシーンは多めですし、主人公がカンフーのような派手な動作で敵の弾丸をかわしながら敵をバンバンと倒していく姿は、ハリウッド映画とかには無い感じのノリでなかなかに楽しいです。
コメディ風味のアクション映画らしく全体的に非常にテンポが良く展開も早くて、本当にサクサクと楽しめる良作という感じですね。
主人公を始めとした仲間や敵役たちのキャラも濃くて良く立っており、キャラクターが敵・味方を含めてあまり憎めない感じになっているのも悪くない印象。
ただ、本作に限らず海外製のコメディ作品にありがちなパターンなのですが、全体的にいま一つ『笑いどころの分からないネタ』が多いのは困りもの。
そもそもの『笑いのツボ』となる部分が違うのか、もしくは『タイ人じゃないと分からないようなネタ(タイの文化を題材にしたネタとか地元のタレントのカメオ出演とか…)』なのかが良く分からなくて、ところどころで何か微妙な空気になってしまいました。
それなりにチョコチョコと笑えるネタもあったので、観ていて困惑するほどではなかったのですが、この辺はコメディ映画の難しいところかなぁ?
まあ、オチの落としどころとかもなかなか上手くて痛快に楽しめる作品ではあったので、全体的に悪くはなかったですよ。
総評としてましては、『サクッと手軽に見れる内容のタイ製のアクションコメディ映画』って感じの作品です。
アジア製の『身体を張った系のアクション映画』が好きな人であれば、普通に楽しめる作品だと思いますので、そういうのが好きであればチェックしてみても良いかもしれません。
強く推すほどではないものの、肩ひじ張らずに息抜き程度に観るには丁度いい感じのB級アクション映画という印象でしたよ。