■■■「ビハインド・ユー -その「何か」は、鏡の中にいる-」■■■
(35点/オカルト)
事故で母親を失ったオリビアとクレアの姉妹は、父親が海外から帰ってくるまでのあいだ、叔母であるベスの元で暮らす事となる。
子供たちに異常に冷たく、『深夜に部屋から出ないように』と厳命する叔母の態度に不安なものを感じる姉妹だったが、そんなある晩、幼い妹のクレアは奇妙な声に導かれて地下室に侵入。
声に命じられるままに地下室の鏡の前で呪文を唱えてしまうが、それ以降、彼女たちの周りでは異様な現象が起こるようになっていき…
叔母の家に引っ越してきた姉妹が、その地下室に封印されていた『鏡の中に潜む何者か』の呪いによって恐怖に晒される…という、オカルトサスペンス映画。
いわゆる『呪いの鏡』を題材とした作品なんですが、なんというか地味で印象の薄い作品というのが正直な感想です。
お話としては『とある姉妹が家庭の事情でしばらく叔母の家に同居することになるんだけど、この叔母が実は過去に「呪いの鏡」にまつわる恐るべき事件に巻き込まれており、姉妹たちが誤って呪いを解いてしまった事で恐るべき事件が再び発生する…』みたいな感じの展開。
『この家に隠された呪いの秘密』とか『叔母が過去に関わった事件とは?』といった部分の謎解きを中心としてお話が展開していくというオーソドックスな流れなのですが、TV映画らしく映像も演出も含めで作品が全体的に地味な印象です。
恐怖演出で『鏡に閉じ込められた悪霊っぽい何者か』がチラ見せ的に登場したりするのですが、この『チラ見せ』が本当に『チラッ』としか見えなくて、画面に何が映ってるのか殆ど分からないような状態のため怖さを感じる事が全く出来ません。(というか、シーンを見ても『本当に映ってたのか』を確かめ直さなければ分からないレベル。)
ちなみに、この悪霊は終盤のお話が盛り上がったシーンでも、やっぱり『チラッ』としか登場しないので、演出とかの問題ではなくて単純に予算が足りなかった事が原因のような気がします。
まあ悪霊の出番が少なくても、オカルトらしい雰囲気作りが良く出来てれば良いのですが、この雰囲気作りも何かイマイチで、全体的に非常に安っぽいテイストばかりが漂う作品になってしまっているのは困りもの。
『叔母さんの過去の秘密』とかの謎解きも妙に引っ張りすぎてて、話の全体像がなかなか見えてこないせいで観ていてどうにもストレスが溜まってしまうんですよね。
お話の全体像が見えて来てからの展開は、いかにもオカルトサスペンスって感じのノリで悪くないですし、終盤の展開はそこそこ盛り上がる感じではあるのですが、前述のとおり『悪霊』の出番が矢鱈と少なかったりといまひとつ盛り上がりきれません。
また、主人公たちを襲う『悪霊』に関しても、バックボーンの掘り下げが弱くて魅力を感じられないので、演出も相まっていま一つ盛り上がらないんですよね…
描きたい方向性とかは分かりますし狙い自体は悪くないとは思うのですが、『もうちょっとどうにかならんかったもんかなぁ?』というのが正直な感想の映画でしたよ。
総評としましては、全体的に『どうにも盛り上がりに欠けるオカルトサスペンス映画』という感じですかね?
お話も演出も全てにおいて薄口で見どころに欠ける作品といった感じなので、正直あんまりオススメするような要素は無いかなぁ…
気になるというのであれば観るのを止めるほどでは無いですが、そうでなければ普通にスルーしてしまっても良いレベルの一本かも?