■■■「ジェサベル」■■■
(60点/オカルト:結構オススメ)
交通事故で恋人と一緒に交通事故に巻き込まれて、恋人を失ったうえに自分も車椅子での生活を余儀なくされたジェサベルは、リハビリのために長年別離していた父の住む旧家で過ごす事となる。
亡くなった母親の部屋で大量のビデオテープを発見した彼女は、それが自分が生まれる前に母親が自分宛に撮影したビデオレターだと知り、懐かしさからそれを観始めるが、ビデオの中で母のタロット占いが進むたびに不気味な悪夢にうなされるようになっていく。
更に母の残したメッセージから『この家にはもう1人のジェサベルが居る』という奇妙な言葉を聞かされた彼女は、母のビデオレターに秘められた秘密を暴こうとするが…
とある女性が『幼い頃に亡くなったオカルトに傾倒していた母の残したビデオメッセージ』から家族の過去にまつわる恐るべき秘密を知らされるという、オカルトサスペンス映画。
「ソウ6」や「ソウ・ザ・ファイナル」の監督が撮影し「パラノーマル・アクティビティー」や「インシディアス」のスタッフが製作した作品という事ですが…
ぶっちゃけ「ソウ」の最後の方の作品はあまり面白いとは言えない内容(まあでも6やファイナルは比較的マシか?)でしたのであんまり期待せずに観てみたのですが、なかなかどうして予想以上の良作という感じの作品でしたよ。
お話としては、事故のリハビリのために実家に帰った娘が母の残したビデオレターを観る事によって自分や家族の過去に隠された恐るべき事実を知っていく事になる…という感じのお話で、サスペンス要素が強めのオカルト映画という系統の作品です。
母の残したメッセージの秘密や『もう一人のジェサベルとは何者か?』という辺りを中心にお話が展開していくのですが、ストーリーのプロットやら謎解き要素、ミスリーディングの仕込み方なんかも良く出来ており、最後まで割と先の読めない感じでお話が展開していくのは面白いです。
またヒロインがまさに『不幸のドン底』に落ちていく感じの展開も不気味で気分が悪くなる感じで、非常にホラー映画らしいノリのホラー映画という雰囲気ですし、自宅に現れる幽霊のビジュアルなんかもなかなかショッキングでインパクトがあります。
ラストで明かされる謎の真相もかなり怖いですし、ダリオ・アルジェントとかのような『色んな意味で気分の悪くなるホラー映画』が好きな人なら、なかなか楽しめる作品でしょう。
難を上げるとしたら、オカルト映画の割には『直接的な怖さ』に頼りすぎな印象があり『雰囲気的に恐怖を盛り上げる要素が薄いかなぁ…』というところですね。
オカルト要素を仕込むなら、もうちょっと『不気味な雰囲気』をシッカリと描くような演出があっても良かったかも?
何とも言えないような後を引く不気味なオチも良い味を出していましたし、個人的にはなかなかの良作という印象でしたよ。
総評としましては、荒削りな印象はあるものの『意外と楽しめるレベルのオカルトサスペンス映画』という感じの作品ですね。
良い意味で『気分の悪くなるような作品』なので、そういうノリが許容できる人ならば間違いなく楽しめると思いますが、逆にそういうのがダメだと受け付けられないタイプの映画かも?
ちょっと人を選ぶ内容だとは思いますが、パッケージのとおりの不気味な感じテイストの作品ですので、そういうのが気になっているようでしたらチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。