■■■「デス・レター 呪いの手紙」■■■
(65点/オカルト:結構オススメ)
建築会社で運転手を務めるイーゴリは、会社に誤配送されたと思しき手紙を配達して欲しいと依頼される。
彼が宛先の住所に向かったところ、そこにいた不気味な老婆から住所が違うと言われ、手紙を確認してみると確かに先ほどまでとは異なる住所が書かれており、老婆から『手紙を受取人に渡すまで決して封を開けてはならない』という奇妙な念を押しをされる。
更には、手紙を手にしてから次々と奇妙な現象に遭遇するようになった事から恐怖を感じた彼は、カフェで出会った女性のカバンに手紙をこっそりと忍び込ませて手離そうとするが、それが原因で乱闘騒ぎを起こして警察に逮捕されてしまい…
持っていると不気味な現象に見舞われる『呪いの手紙』の恐怖を描いた、ロシア製のオカルトサスペンス映画。
「リング」の『呪いのビデオ』から始まって、色々な『呪いの〇〇』シリーズが作成されましたが、そんな中で本作は『呪いの手紙』を題材とした作品になります…
って、それって単なる『不幸の手紙』やないか!!
なんかもう設定がオーソドックスすぎて、むしろ一周まわって新しさを感じますね。
ただ『呪いの手紙』という設定はオーソドックスですが、作品の中身の方はなかなか良く練られたオカルトサスペンス映画となっています。
お話としては『とある運転手の青年が奇妙な「手紙」の配達をたのまれるんだけど、手紙を手にしてから次々と不気味な現象が起こるようになっていき、その「手紙」に隠された秘密を探るうちに驚くべき事実が判明していく』みたいな感じのストーリー。
設定的にホラーの体裁は取っていますが、どちらかというと謎解き要素がメインとなっており、ホラーよりもダークファンタジーといった印象の方が強い作品ですね。
ロシア映画らしく映像表現や空気感がなかなか美しく、雰囲気映画的な要素も感じられるあたりから、ファンタジーっぽいテイストが強めの作品になっている印象。
『呪いの手紙』は果たして主人公に何をさせようとしているのか、また開封してはならないと告げられた『呪いの手紙』の中身は何なのか…といった辺りがメインのストーリーとしてお話が進んでいくのですが、ちょっと予想外の展開もあったりと最後まで先の読めない構成で楽しませてくれます。
(まあ、全体的に謎解きが若干説明的すぎるきらいはありますが…)
また、サスペンス的な謎の提示やら伏線の張り方がなかなかに秀逸で、なんでも無さそうなシーンが後のシーンの仕込みになっていたりするのも、なかなか面白いですね。
ただサスペンスとしては面白いのですが、ホラーとして観ると物足りない部分があるのも事実で、ホラー的な表現のシーンもそこそこあるのですがぶっちゃけ全く怖くはありません。
タイトルやらパッケージが、いかにもB級オカルトホラー的なノリなのでそういう方面を期待してると、ちょっと肩透かしを食らってしまうかも?
むしろ、なんでこんなコテコテのB級ホラーっぽいタイトルにしてしまったのかと割とガチで問い詰めたいですよ。
総評としましては、安っぽいタイトルやパッケージのせいで期待していなかったのですが『なかなか良く出来たオカルトサスペンス映画』って感じの作品ですね。
むしろ、ホラーというよりも『謎解き要素のあるダークファンタジー作品』として観る方が楽しめる内容だと思いますので、そういうノリの作品が観てみたいのであれば割とオススメです。
タイトルで損をしてる感ありありの作品ですが、気になるならはチェックしておいても損のない一本だと思いますよ。