NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

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■■■「ミッシング・タワー」■■■
(55点/オカルト)

 妻を火事で亡くした元警察官のフィルは、二人の娘と共に過ごすため危険な警察官という職業を辞職し、ニューヨークにある古びた高層マンションで住み込みの管理人として働くこととなる。

 マンションの地下室の一室を住居として割り当てられた彼は、そこで管理人としての業務を開始するが、そんな矢先に、マンションで住民の謎の失踪事件やら、奇妙な現象やらが相次いで発生している事を知らされる。

 フィルは、古参の管理人の一人で黒魔術に傾倒しているというウォルターという男が怪しいと考え、彼の事を疑いの目で監視するようになっていくが…
 

 妻の死を契機に仕事を辞めた元警官の男性が2人の娘と共に古いタワーマンションの管理人として住み込みを始めたところ、不気味な現象に巻き込まれるようになっていき…といった感じの、オカルトサスペンス映画。

 いわゆる『幽霊マンション』を題材としたオカルト映画で、『怪奇現象が起こる古びた曰くつきタワーマンションと、そこに住む奇妙な住人の秘密を探る』みたいな展開がメインストーリーといった感じ。

 マンションで相次いで起こる『奇妙な失踪事件』や『不気味な現象』は果たして黒魔術に傾倒した不気味な管理人の仕業なのか…もしくは他に何か原因があるのか?みたいな感じでお話が進んでいくのですが…

 謎の中心となる怪しい黒魔術マニアの管理人以外にも、上司が監視カメラで他の部屋の盗撮をしていたりとか不審な登場人物が多く、マンションに隠された『謎解き』自体も一筋縄では行かない感じの構成になっているので、色んな意味で先の読めないストーリー展開になっているのは面白いですね。

 ネタバレになるのであまり詳しくは書きませんが、特に終盤の展開なんかはなかなかに意外性のある盛り上がる内容で、思った以上に楽しませてくれます。

 ただ、ストーリーとか濃いキャラクターとかは面白いのですが、オカルト映画の割には肝心の『オカルト要素』があんまり怖くないのは困りもの。

 妙に多い主要登場人物のゴチャゴチャした描写に加えて、恐怖シーンもゴチャゴチャしていて散発的な場面が多く、そのせいでホラー描写が全体的にアッサリしすぎている感があって、どうにもいま一つ盛り上がりに欠けます。

 ゴチャゴチャとミスリード的な手がかりを仕込む事でストーリーに意外性を持たせたかったのかもしれませんが、やや煩雑になりすぎているせいでオカルト要素や演出が弱くなっている感があったので、全体的にもうちょっとメインとなるネタを絞り込んだ方が良かったかも?

 悪くない部分もあったのですが、色々とネタを詰め込みすぎたせいでそれぞれの題材がぼやけてしまい、なんか印象の薄くなってしまっている作品という感じでしたよ…
 

 総評としましては、『そこそこキチンと作られたオカルトサスペンス映画』って感じの作品ですね。
 
 ネタ的には面白い部分もあるのですが全体的にパンチが弱い印象なので、強く推すにはちょっと弱いかなぁ…というのが正直なところ。
 
 オカルトサスペンス系の作品が好きで気になるようであれば、とりあえずはチェックしておいても悪くはない一本だと思うので、まあお好みでといったところでしょう。