NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星」(60点/パニック:結構オススメ)

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■■■「PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星」■■■
(60点/パニック:結構オススメ)

 近未来、地球温暖化による氷河の融解の影響により地表の99%は海で覆われ、わずかな生存者たちは水の上に建設された水上都市で暮らしていた。

 しかし、更なる気温の上昇によって食糧不足に陥ったサメたちは、群れをなして人間の住居を襲い、小さな水上都市のジャンクシティが壊滅するという事態が発生する。

 地球の気温を下げるための研究を行う海洋研究所のニコラスとショーは、ジャンクシティの唯一の生き残りの少女と彼女を救出した仲間たちの証言から、サメが異常に統率のとれた動きをしていた事を知り、サメの群れ中に他のサメたちをコントロールできるリーダー的なサメが存在するのではないかと予測するが…



 地球温暖化の影響で陸地の大半が海に覆われた世界で、食物連鎖の頂点に立ったサメたちによって人類が脅威にさらされるという、SF風味の生物パニック映画。

 いかにも猿の惑星」をパクりましたというようなタイトルやら、サメ映画が大好きで頭の悪そうな設定やらからして、サメ系B級映画が大好きな「ASYLUM」の作品なんだろうなと思ったら、やっぱり「ASYLUM」の作品でした。

 お話としては地球温暖化の影響で陸地の大半が海に覆われた世界で、サメたちが唐突に群れをなして人間の住居を襲うようになり、それに対抗するために海洋学者や研究者たちが奔走する』といった感じの内容。

 ノリとしては「マッドマックス」的な世紀末世界(ただし敵は無法者じゃなくてサメ)に、生物パニック映画の要素をくっ付けて美味しいところ取りを狙ったような設定なのですが、『サメと戦う武闘派のヒャッハーな部族』が居たり、地球温暖化を食い止めて世界を救うための研究をしている科学者』が居たりとか、世界観が意外にシッカリと作られており思った以上に普通に世紀末もののSF系作品として楽しめる出来になっています。

 また、サメの脅威だけでなく地球の環境を修復して人類を救うためのロケットの発射のタイムリミットが迫っていたりとか、主人公たちがサメの大群と戦う手段として地震兵器HAARP』といった秘密兵器が登場してみたり、色々と『盛り上げる要素やら面白そうな要素を詰め込んでやろう』という心意気が感じられる構成も良い感じ。

 実際に映画の中身の方も、ちょっと詰め込み過ぎな印象はあるものの全体的に非常にテンポ良く見れる内容になっていますし、ヒロインやら登場人物のキャラもなかなか良く立っており普通に楽しめる作品に仕上がっている印象です。

 ただアイデアとしては面白い要素が多いのですが、いかんせん低予算さが目につく部分も多く、特に水上都市とかサメのCGがショボめで全体的に安っぽさが目立ってしまう完成度なのは残念なところ。

 あと要素を詰め込み過ぎたせいで、サメの暴れるシーンが若干少な目で特に『他のサメをコントロールできるボスザメ』の印象がちょと薄くて、いま一つモンスターとしての魅力が感じられなかった部分も惜しいところでしたよ…

 ちなみに余談ですが、本作は『北極と南極の氷が溶けて地表の99%が水没した世界』という設定ですが、もし実際に北極と南極の氷が全部溶けたとしても、海面が数m~数十m上昇する(所説あって正確な値は不明)だけで地表の99%が海に覆われるなんて事はあり得ないので、『サメの支配する世界の水上都市で暮らす』なんて事態は現実には起こりそうにありません。(まあでも平野部や都市部はほぼ確実に水没するけど。)

 まあその辺は、ネタのためには細かい事は気にしないというASYLUMらしいご愛敬という事で…(笑)


 総評としましては、ネタ映画っぽいタイトルですが思った以上に『意外とシッカリと作られたSF風味の生物パニック映画』って感じの作品です。

 実際に映像がショボめなこと以外はネタ映画としてもSF映画としても普通に楽しめるレベルの作品だと思いますので、B級パニック映画が好きな人であればチェックしておいて損は無い一本という感じでしょう。

 特に最近のASYLUMのオリジナルの新作の中では出色の出来の作品で、近いうちにパワーアップした続編が作られそうな予感がするので、ASYLUM作品のファンであれば要チェックの新作だと思いますよ。