■■■「シャーク・クルーズ」■■■
(25点/生物パニック)
釣り好きの女性ルシアは、観光客向けの小型クルーザーでキハダマグロを釣るためにクルージングに出かける事となる。
バニング船長の操船する船で、カップル客と共に5人でメキシコ沖合に向かった彼らだったが、異常発生したホホジロザメの群れの襲撃を受け、客の一人のドナが落水しサメの餌食となってしまう。
そして更なるサメ群れの執拗な攻撃によって、彼らの船はエンジンが故障したうえに浸水。
なんとか近くの砂州に着底させて避難した彼らは携帯電話で救助を要請するが、潮が満ちてきたことによってサメの脅威が刻一刻と迫ってくるのだった…
小型のクルーザーで沖釣りに出かけた人々が異常発生したホホジロザメの群れの襲撃を受ける…という生物パニック映画。
低予算のB級ホラー映画やパニック映画でおなじみのASYLUMによる新作ですね。
パクリ映画や便乗映画でお馴染みのASYLUMですが、今回は特に何かのパクリという訳でも無さそうな、ごく普通の生物パニック映画という印象。
原題の「SHARK WATER」ってタイトルから「オープン・ウォーター」辺りを意識しているのかもしれませんが、なんというか『とにかく地味で特徴の無いサメ映画』という感じの作品です。
お話としては『とある釣り好きの女性が観光用の小型クルーザーで沖合に釣りに出るんだけど、サメ群れの襲撃を受けて船が故障し窮地に立たされてしまう』という、本当にそれだけのお話。
本作のサメは、特に空を飛んだり巨大化したり触手や頭が大量に生えたりする訳でも無いごく普通のサメの群れで、襲撃を受けるのも海に落水した時ぐらいのためとにかく地味な内容です。
トンデモ設定やトンデモ展開が無いおかげで、そこそこ『リアリティがある』というのは悪くない部分ではあるのですが、あまりにも普通すぎてどうにも盛り上がりに欠けるんですよね。
登場人物もメインとなるのは5人のみと少な目で、犠牲者が少ないせいで当然ながら襲撃シーンも少な目。
一応、主人公がサメに噛まれて出血でピンチに陥ったり、浅瀬に乗り上げたクルーザーをなんとかして動かそうとしたりと、少しでも盛り上げようとしている努力は見られるのですが、先述のとおりサメが特殊な技を使って来る訳でも無いですし、人数が少ないからといって人間ドラマに力が入っている訳でも無くて、どうにも全体的に淡々としていて淡泊な印象しか受けません。
サメは実写+CGの合わせ技っぽいのですが、襲撃されるシーンのCGも割と雑でイマイチな出来ですし、ラストもたいした盛り上がりの無いアッサリした終わり方ですし、正直なところ『何でいまさら、ASYLUMがこんな普通のサメ映画を作ろうと思ったのか?』という疑問しか湧いてこないぐらいに、普通すぎて語るべきところの無い作品でしたよ…
総評としましては、『とにかく地味で盛り上がりに欠ける低予算生物パニック映画』という感じですね。
『普通すぎるサメ映画』という以外に何の印象にも残らない内容ですし、ネタとして楽しめるような要素も殆ど無いため、サメ映画好きにもちょっと勧め難い印象かなぁ?
正直なところ、よほど『俺は全てのサメ映画を網羅するんだ!』という情熱に燃えている人でも無ければ、普通にスルーしてしまって問題のない一本だと思いますよ。